top of page

あそびフェスのはじまりvol.3

執筆者の写真: Emi  | Kenshiro Shiba Labo
Emi | Kenshiro Shiba Labo
2024年12月17日
読了時間: 4分

更新日:3月13日


迎えた当日――広がる挑戦の輪


澄み渡る青空の下、「あそびフェス」の当日を迎えた。楓と翔真は、朝早くから会場入りして準備に追われていた。


「スラックラインのロープは、もう少し広めにスペースを取ろう。あと、パルクールとストリートワークアウトのブースの間も区切りをはっきりさせて……。」


楓はロープやカラーコーンを使いながら、会場全体の安全面を細かく調整していた。


翔真も出演者たちと共にブースの設置を進めていた。


「ストリートワークアウトの鉄棒は、この位置でいいかな? でも、近くに人が集まりすぎないようにした方がいいよね。」


「お客さんが動線で迷わないよう、ブースの案内をもっと目立たせよう!」


スラックラインチームのリーダー真弓は、親子連れが分かりやすいように案内板を追加で設置していた。


午前10時、ついに「あそびフェス」がスタートした。




会場に集まる人々




開始早々、会場は想像以上の賑わいを見せた。


「これ、無料で見られるの?」「めっちゃすごい!」


親子連れや中学生グループ、サッカー大会に参加していた子どもたちが、ブースを次々と訪れていた。


翔真は会場全体を見渡しながら驚きの表情を浮かべた。


「こんなに人が集まるなんて……。」


楓は微笑みながら答える。


「みんな、あなたたちのパフォーマンスを楽しみにしてるんだよ。」


翔真は大きく息を吸い込み、気を引き締めるようにうなずいた。




人々を魅了するパフォーマンス




最初のプログラムはスラックラインからスタートした。


「よーし、行くよ!」


真弓の息子がロープの上でバランスを取りながら跳ねると、子どもたちは目を輝かせ、

「僕もやってみたい!」と次々に声を上げていた。


次に登場したのはストリートワークアウトだ。会場には有名なアニメ主題歌が流れ、藤岡たちが鉄棒を使ったパフォーマンスを披露した。


「ほら、見てろよ!」


1人目の出演者が鉄棒を掴むと、そのまま体を真横に伸ばして「こいのぼり」のようなポーズを決めた。観客席からは大きな歓声が上がる。


次に登場したのはダンスが得意な若いメンバーだ。彼はリズミカルに鉄棒を使いながら、ムーンウォークのようなステップを披露し、軽やかに観客を魅了していく。


続いて藤岡が登場すると、鉄棒を勢いよく回転しながら跳び移る大技を決めた。演技が終わるたびに観客は拍手喝采を送っていた。


そして最後は、翔真たちによるパルクールだ。


会場の中央に設置されたのは、単管パイプで作られた巨大なジャングルジムのようなセットだ。高さや幅の異なるパイプが複雑に配置され、見ただけで挑戦心をくすぐる作りになっていた。


「行くぞ!」


翔真が勢いよく駆け出すと、パイプの上を軽やかに駆け上がり、空中で1回転して着地する。


その後、反転してから片手でバーを掴み、流れるように体を移動させると、観客からは「すごい!」と感嘆の声が上がった。


翔真の仲間たちも続く。

アンダーバー(バーの下をくぐる動き)を滑らかに披露した後、バランスを崩すことなくスムーズに別のパイプへ移動していく。最後に仲間たちが一列に並んで大ジャンプを決めると、観客は熱い拍手で応えた。



想定外のトラブル



昼過ぎ、体験会が予想以上の参加者で混雑し始めた。


「無料の体験会、どこに並べばいいの?」


「まだ続けてる子がいるみたいで、なかなか順番が回ってこない……。」


親たちからの苦情が増え、受付スタッフは対応に追われていた。


「このままだと回らないね。」


楓はスラックラインの真弓と話し合い、体験時間を短縮することで回転率を上げることに決めた。


一方、翔真はパルクールのブースを一旦閉め、体験希望者の誘導に回った。


「ここは俺たちでフォローしよう。安全第一でやらないとね。」


二人が連携して対応したことで、混雑は徐々に解消され、会場には再び笑顔が戻ってきた。



イベントの終わりと次の課題




午後4時、イベントは無事に終了した。


「今日は最高だったね!」


真弓が満足げに笑う。

子どもたちは「またやりたい!」と声を弾ませ、親たちからも好評の声が寄せられた。


「こんなイベントがあるなんて知らなかったけど、すごく楽しかった!」


参加者たちからは嬉しい感想が次々に寄せられた。


出演者たちも達成感をにじませていた。藤岡は笑いながら言う。


「最初はどうなるかと思ったけど、やってよかったな!」


しかし、楓と翔真の表情には、次の課題を見据えた緊張感があった。


「資金や人手の問題、出演者の負担……。次はどうするか考えなきゃね。」


楓がそう呟くと、翔真もうなずく。


「でも、今日みたいにみんなで協力できれば、きっと次も大丈夫だ。」


二人は成功への手応えを感じながらも、次回に向けて改めて課題に向き合う決意を固めたのだった。





あそびと文化のレシピ
あそびと文化のレシピロゴ

Texts, images, and videos published on this site are part of the “Muramasa” project and copyrighted by the author.

当サイトに掲載している文章・画像・動画の無断転載・無断使用を禁じます。

bottom of page