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日々のかけら―犬と薬膳と暮らしの記録
柴犬ケンシロウと暮らす書き手が犬と人の薬膳、日々の気づき、浄瑠璃や文化、イベント制作の現場を記録するブログ


声なき刀が語るもの──小説『刀が泣くとき、探偵は声をきく』
── 名を持たぬ刃が、命を喰らう。 それを聞くのは、声をきく探偵――片桐透馬。 刀は、叫ばない。けれど命の声は、確かにここにある 今年は、今までやったことないことに挑戦しようと思っていた。 それで、ふと思いついて、ミステリー小説を書いてみた。...
2025年4月29日


月下の刃と妖刀・村正──『籠釣瓶』が描く愛と復讐の美学
妖刀・村正とは何か? 日本刀をめぐる物語を追っていた。 有名な刀には、必ずと言っていいほど「物語」がある。 その中でも、歌舞伎や浄瑠璃に登場する“語られた刀”に、目を向けてみた。 そうすると、出てきたのが“妖刀・村正”。 「村正」といえば、“ 徳川家に仇なす妖刀...
2025年3月11日


江戸時代の川辺にて──難波舟遊びと町の息づかい
──近松門左衛門の浄瑠璃に描かれた、川と人の風景から 「おい、おい、おい」と、ゑびや節がどこからともなく響いてくる。 その声は、三味線とともに川面を渡り、風にのって揺れていた。 舟の上には、季節をたのしむ人々の姿があった。 月見に花見、春も夏も秋も冬も、川に浮かぶ舟は賑やかだった。 江戸時代の物語世界 に描かれる難波(なにわ)の川辺は、 現実と夢が交差する、情緒とにぎわいの舞台。 この文章は、 近松門左衛門の浄瑠璃 (人形浄瑠璃・歌舞伎)に登場する川辺の情景をヒントに、 その背後にあった江戸時代の“人々の暮らしと心”を想像しながら綴った一篇です。 🌸 難波の舟遊び──季節を運ぶ川の上の宴 江戸時代、難波の川辺は、 舟遊びの名所 として名を馳せていました。 老若男女が集い、舟の上で肴と酒を囲みながら、風流を楽しむ。 三味線の音、唄の声、船頭のかけ声── すべてが混ざりあいながら、川面に溶けていきます。 肩が触れるほどの混み合った舟の中で、 見知らぬ人と杯を交わし、月を愛でる。 舟遊びは、ただの遊びではなく、 “季節を味わう“ 文化に身を浸す...
2025年2月24日


長船康光——三代にわたる命の系譜と、刀が映す時代の記憶
長船康光とは?—備前長船派の名工 刀はただの武器ではない。 鍛冶の手を通じて、時代の祈り・誇り・美が宿る——。 “ 長船三代”、すごくない ? なぜいきなり“長船康光”なのか?といえば、気になったからである。 最初は、ただの日本刀の資料だった。 けれど、“初代は 祈り 、二代は 哲学 を刻み、三代は 美 を映す”──三振りの刀に、三つの時代が息づいている。 “長船康光”という名の刀に重なる、三つの時代。 まるで物語のような系譜。 長船康光三代の物語は、刀を通じた時代の記憶そのものだと思えた。 どれだけ真実なのかわからないが、よく言うじゃないか。 「1代目で会社を起こし、3代目が潰す」って。 それなのに、見事に時代の流れを読み取って、根っこのポリシーは崩さずに、変化させて、繁栄させた。 どう考えても、お金持ちのボンボン社長じゃない。 敬意を込めて、どうすごいと思ったのか、短くまとめてみました。 では、どうぞ。 刀に宿る祈りと命の物語──時代を超えて語られる、長船康光三代の記憶。 ■初代康光—鉄に宿る祈り・戦乱の中で生まれた実戦刀 正和五年(1316
2025年2月16日


一振りの刀が語るもの 龍馬の愛刀
吉行の鉄が夢を斬り、吉国の刃が風を裂く。 康光の脇差は、歴史に光を刻む。 炉で鍛えられた鉄は、 意志 と 祈り を帯びて刃となった。 その波紋の中に、時代が眠っている。 一振りの刀がつないだ物語。 その続きを知るたび、過去が、手の中で生きてくる。 語るのは、刀。坂本龍馬の想いを静かに宿す一振り──陸奥守吉行。 高知で展示された、龍馬の愛刀 高知県立坂本龍馬記念館で、坂本龍馬の愛刀が展示されていた。 展示期間はそれなりにあったはずなのに、私がその情報を知ったのは終了10日前。 悔しい。間に合わなかった。 予定も合わず、行けずじまい。 そんな未練と刀への想いが、今回の記事のはじまりだ。 坂本龍馬と陸奥守吉行(むつのかみ・よしゆき) 坂本龍馬(1836–1867年)は、幕末の日本を駆け抜けた志士。 そして、その手に常にあったとされるのが、陸奥守吉行(むつのかみ よしゆき)という一振りの刀だった。 🗡️ 陸奥守吉行とは? なぜ坂本龍馬は「陸奥守吉行」を選んだのか? ――体格・性格・時代背景から読み解く佩刀の理由 坂本龍馬といえば、自由を愛し、時代を変
2025年2月14日


五箇伝の技術がここに!海部刀とその多面性
「なんかインドネシアに似ている気がする。」 海部川を初めて見た時、私はそう思った。 徳島県南部、 室戸岬から車で約40分のところにある海陽町。 この町は、亜熱帯植物が生育する最北端であるという。 そして、その町にある町立の博物館は、単なる郷土資料館ではない。...
2025年1月27日


日本刀が教えてくれた歴史の深さ
大阪城天守閣と北川先生との出会い 仕事を通じて、 大阪城天守閣の館長であった北川先生(現在は九度山・真田ミュージアム名誉館長)と知り合う機会があった。 底知れない知識を持ち、 どんな質問にも的確に答えてくださる先生は、その話術も抜群に面白い。...
2025年1月19日


近松門左衛門と『今宮の心中』: 江戸時代の愛と葛藤
江戸時代に多発した心中事件。 庶民の心を掴んだ劇作家・近松門左衛門が、実話をもとに描いた『心中物語』。現代でも通じる愛と義理の葛藤、そして美しい言葉の世界をお伝えします。 近松門左衛門と心中物語 『曽根崎心中』に比べると有名じゃないので、『今宮の心中』は知らない人も多いと思...
2024年12月18日


刀剣エッセイ、1年ぶりに復活|AI挿絵が創作意欲を呼び戻した話
刀剣エッセイを1年ぶりに復活させた理由 随分と前に、 「刀と私」 というテーマで、エッセイを3つほど書いて、 そのまま1年、見事に熟成させていた(笑)。 刀剣の雑誌にまとめて応募したいなぁ、 なんて野望もあったけれど、 向こうは別に、そんな枚数のかさんだ文章なんて、特に求めていない。 10作くらいたまったら、 勝手に送りつけよう!と計画していた。 でも、途中まで書いて1年も経つと 「まぁ、いいか」 となる。 そう、結局のところ放置していたのだ。 そして最近、思い出して改めて読み返してみたところ、 自画自賛で 「これ、なかなか面白く書けてるじゃないか!」 と思ったので、調子にのって挿絵を作ってみた。 挿絵が加われば、完成度がグッと上がる……気がする。 これはもう、 AIで挿絵を作るために、1年以上放置していたような気がしてきた。 刀と文章のあいだに、AIという静かな相棒が加わった。 AIイラストが、絵心ゼロを救った話 最近、自分の中で「AIイラスト」がすごく熱い。 何しろ、私は絵が上手く描けない。 文章はなんとかなっても、絵はまるでダメ。...
2024年12月15日


刀好き、ついに市民権を得る!
刀好きは昔、おじいちゃん達の趣味だった? 私が刀と出会った頃、 たぶん刀剣は一部の年配男性の趣味という立ち位置だった。 郷土の資料館や小さな博物館で、年に一度くらい刀の展覧会が開かれていたが、大っぴらに 「刀を見るのが好きなんです!」なんて言うことはなかったし、...
2024年12月8日


翻訳はアート?浄瑠璃翻訳に挑む楽しさと難しさ
浄瑠璃に挑戦する一日。近松門左衛門の作品に触れ、ことばあそびを楽しみつつ、翻訳の瞬発力を探る。翻訳者視点で伝える日本文化の魅力と難しさ。
2024年11月19日


18歳、自衛官だった私が見つけた「静かな逃げ場」──熱田神宮と刀の記憶
自衛隊時代の外出日と熱田神宮 別に元自衛官だったからといって、刀が好きなわけではない。 そして、好きだからといって、決して詳しいわけでもない。好きと詳しいは別物なのだ。 私が自衛官だった18歳の頃、 週に一度の外出日 はたいてい一人で熱田神宮にいた。 こう書くと、友達のいない淋しいやつみたいだが、入隊したばかりで一番下っ端の私は「 おひとりさま外出 」しか選択肢がなかったのだから、仕方ない。 それでも、熱田神宮以外にも外出の選択肢はあったわけだから、無理をしていたわけではない。 むしろ、私はその 森 が、無意識に感じていた息苦しさを解放してくれる場だったのだと思う。 外出日のたびに通った、刀剣展示との静かな出会い 宝物館での日本刀の展示 そんな熱田神宮には、小さいが珠玉の宝物館がある。 「熱田神宮前」で駅を降りると、 鬱蒼とした 森が見える。その中を、砂利道をサクサクと歩き、能楽堂を目指す途中にひっそりと建っているのが宝物館だ。 当時、展示内容は毎月変わっていたが、その半分以上は「 刀剣 」だった。 そこに並ぶのは、歴代の武将たちが奉納した 重要
2024年11月16日
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