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日々のかけら―犬と薬膳と暮らしの記録
柴犬ケンシロウと暮らす書き手が犬と人の薬膳、日々の気づき、浄瑠璃や文化、イベント制作の現場を記録するブログ


松の実のちから——冬のからだを満たす、小さな粒の物語
冬、空気の温度がひとつ落ちるたび、 肌も呼吸も、こころも静かに内側へと沈んでいく。 そんな季節にそっと手渡される小さな宝物—— それが 松の実 です。 ナッツの顔をしているのに、どこか “薬”の気配 をまとっている。 それもそのはずで、松の実は中医学では 「食材と生薬のあいだ」 にいる特別な存在。 気を補い、肺と腎を潤し、からだの奥に火を灯す。 まさに 冬を支える“見えない杖” のような食材です。 でも正直なところ、ちょっと使いにくい。 香りは強く、油分も多く、そのままだと主張が激しい。 私も袋を開けては閉じ、使いこなすまでずいぶん悩んだひとりです。 今日はそんな松の実を 「どうすれば美味しく、無理なく、毎日食べられる?」 という視点で深掘りします。 体を潤し、命の底(腎)を支えてくれる、冬の相棒。 少量で驚くほど働いてくれるその魅力を、存分に。 冬のからだを満たす“小さな粒”、松の実 🌲 松の実はなぜ“冬の養生”に効くのか 松の実は、薬膳の世界では 肺・腎を同時に潤す 数少ない食材。 肺を潤す → 冬の乾燥咳に強い 腸を潤す → 冬の
2025年12月27日


体が弱ったとき、何を食べる?——産後・病後・高齢期のやさしい回復食
——弱った胃腸に、朝の一杯の“祈り”を。 体が元気な時、人はあまり食べもののことを深く考えない。 お腹が空けば好きなものを食べ、朝食の時間がずれても気にしない。 けれど—— 産後、病後、食欲が落ちた高齢者の介護。 「何を食べればいいのか」 が突然、切実な問いになる。 中医学では、 朝7〜9時 は「胃」の時間。 この時間に口にするものは、その日の体調を左右するほど大切とされる。 そこで選ばれるのが、 最もやさしく、最も奥深い料理—— “粥” 。 お粥の表面に浮かぶ薄い金色の層は「米油(べいゆ)」と呼ばれ、 古くは “飲む点滴” とも言われてきた。 米がゆっくり煮崩れ、甘みと栄養が滲み出した証。 中国では、米に雑穀・豆・野菜・果物・ナッツ。 時には黒砂糖やはちみつを加え、 その家の身体と暮らしに合わせた「粥」を仕立ててきた。 ここでは、体の回復段階に合わせた 3つのステップ粥を紹介する。 やさしい朝の回復食——からだをいたわるおかゆの時間 ステップ1|体が弱り切っている時の“長芋粥” ◎対象:産後・病後・寝たきり・胃腸虚弱 最初に必要なのは、 「
2025年12月20日


皇帝・溥儀と「陽委」── 中医学が見つめる“男性の悩み”の話
EDは「年齢のせい」だけではありません。中医学では、腎虚・肝気鬱結・血瘀など、体質ごとに原因が異なると考えます。本記事では、溥儀の陽委の逸話を手がかりに、体質別の原因と改善法をわかりやすく解説します。 ラストエンペラーで知られる清朝最後の 皇帝・溥儀 。 彼が性生活の問題を抱えていたことは、本人の回想録や研究でもたびたび触れられている。 「陽委(ようい)」── 現代で言うところのEDに近い症状を抱えていた、という説もある。 もちろん当時の医学記録は限られているが、30年、治療を受けていたという話も伝わっている。 EDと聞くと “精力剤を飲む” そんなイメージが浮かぶかもしれない。 けれど、そこは “不老不死” を追い求めた中国の皇帝。 溥儀が安易な強壮剤に頼ったはずがない。 当時の皇帝たちが用いていた強壮薬── 鹿茸 (ろくじょう/鹿の角)、 海馬 (タツノオトシゴ)、 紫河車 (人の胎盤)などの動物性生薬。 そのような薬膳・漢方療法を、溥儀も試していた可能性が高い。 おそらく彼には 「腎の生命エネルギーの不足(腎虚)」 そして ストレスによる“
2025年12月13日


乾燥と冷えが始まる季節に——肺を守る養生と、秋冬の潤いごはん
🍂乾燥と冷えが重なる季節にやってくる不調 なぜ寒くなると、風邪やインフルエンザが流行するのか? 理由のひとつに、やはり「乾燥」がある。 肺 は乾燥に弱い臓器。 乾燥でダメージを受けると、免疫力はすぐに落ちてしまう。 秋から始まった「燥邪」、冬に強まる「寒邪」。 この二つが合わさると、体はあっという間に守りを失う。 加湿器だけでは追いつかない季節。 そろそろ “体の内側から” 潤いを補うタイミングです。 からだを潤す“白”と、胃腸を養う“黄” 🤧乾燥が本気を出すと、体はこう叫ぶ 止まらない咳。 喉のイガイガ。 朝起きた瞬間の鼻の乾燥。 これはすべて「肺の乾き」のサイン。 ただし、咳にもタイプがある。 🤧あなたの咳はどっち? ①空咳タイプ(乾燥・熱) 喉がカラカラ 乾いた咳 痰なし → 潤すケア 梨 はちみつ 柿 れんこん 白きくらげ 杏仁(あんにん) 簡単レシピ:梨とはちみつの潤いシロップ 梨を薄切りにして小鍋へ。 はちみつ大さじ1、少量の水を入れて5分弱火で煮るだけ。 喉がスッとする「潤いの補給水」。 ②痰ありタイプ(冷え・湿) 体が重い
2025年12月11日


西太后の美容法──帝国レベルの“若返り”プロジェクト
「皇后の贅沢」なんて言葉では足りない。 西太后の美容法は、 “ 帝国の威信を背負った美の大プロジェクト ” だった。 70歳を過ぎても白く透き通る肌、張りのある顔、ふっくらとした頬。 その若さと美しさは伝説となり、「50代で15歳に見えた」とさえ囁かれた。 それは決して偶然ではなく、内側と外側、どちらも徹底的に磨き抜いた 中医美容の到達点 だったのです。 漢方風呂で、2000年先をゆく美しさ。 🛁 美容風呂:12種の生薬で仕立てる“皇后の湯” 西太后の美容法の代名詞が、毎日の薬草風呂(薬湯)。 🌿 使用されたとされる生薬: 白芷(びゃくし)、当帰、艾葉(よもぎ)、茯苓、桂皮、玫瑰花(バラ)、陳皮、薄荷、茉莉花(ジャスミン)など。 🛀 効果: 肌の保湿、美白、血行促進 香りによる“気”の巡り改善(行気) 自律神経の調整とリラックス 「香る肌」を目指す体臭ケア 📜 美容ルーティン: 入浴後は薬膳スープと** 養顔茶 (美容茶)**を摂取 残り湯で顔と手足をマッサージ 🍵「食べて美しく」——漢方粥と養顔スープの習慣 西太后の美しさを支えていた
2025年12月4日


【内臓から始まる美】美容内治十法と“体質別・美女の悩み”図鑑
【内臓から始まる美】 美容内治十法と“体質別・美女の悩み”図鑑 「美は一日にして成らず」 ──とは言うけれど、 それは“スキンケア”の話ではありません。 美の根っこは、“内臓”にある。 漢方や薬膳の世界では、 「肌は、五臓六腑の代弁者」と言われています。 つまり、美肌も、透明感も、引き締まった輪郭も、 ぜんぶ「内側の調子」しだい。 これを見事に言語化したのが、中医美容の金字塔── 『美容内治十法(びようないじじっぽう)』。 ざっくり言えば、 “体質ごとに、美容の悩みに内側からアプローチする10通りの漢方メソッド” です。 が、ちょっとだけ難しそう……? ということで今回は、中国史のスーパースター美女たちと一緒に、 美容内治十法を、楽しく深ぼってみたいと思います。 (※一部、想像も含まれています) 2000年の美容法「内治十法」に今こそ学ぶ、不老と若返りのレシピ。 ✨ 美女は、悩んでいる。 まずお伝えしたいのはこれ。 歴史に名を残す美女たちも、 実はみんな「体質」に悩みがあったのです。 🍑 楊貴妃──ぽっちゃり系・湿気美女の代表格 唐の絶世美女・
2025年11月18日


【鏡と内臓】——不老と美を求めた、皇帝たちのアンチエイジング術
〜『黄帝内経』が教える「美しさは内臓から」〜 「鏡よ、鏡。鏡さん。 この世で いちばん美しいのは誰?」 そう問いかけたのは、白雪姫の継母。 一方、中国の皇帝たちは、こう問いかけた。 「どうすれば、 永遠に 美しく、若くいられるのか?」 彼らは鏡を見る前に、内臓の声を聞こうとした。 ——2000年前に書かれた 中国最古の医学書 『黄帝内経(こうていだいけい)』をはじめとする医学書の数々。 これらは、ただの医学の本じゃない。 美しさと不老をめぐる、“ 身体との対話の書 ”なのです。 👑 美のゴールは「顔」じゃない。皇帝たちの美学とは? この書が生まれた目的は、病気を治すことだけではない。 皇帝たちが求めたのは―― 不老不死 。 人はなぜ老いるのか? どうすれば衰えを止め、美しくあり続けられるのか? そんな問いに向き合った中で生まれたのが、 「 美容内治 (びようないじ)」という考え方です。 ✨中医美容の哲学① 「最強のビジュアルは、内臓が作る」 『黄帝内経』には、こう書かれている。 「内に形あれば、必ず外に現る。」 つまり、身体の内側にあるものは、
2025年11月4日


白キクラゲが美味しくならない問題(笑)
〜梨と煮ても感動できなかったあなたへ〜 🍐【はじめに】 白キクラゲって、身体にいいのはわかるけど… 正直、美味しいって思ったこと、ありますか? ——わたしは、ない。 梨と煮ても、氷砂糖を入れても、ぷるぷるにならず。 味も香りも微妙、テンションが上がらない。...
2025年10月12日


秋の乾燥対策は「潤い鍋」で―肺をいたわる秋の薬膳習慣
■秋の乾燥がはじまるとき、まず「肺」に注目 トンボが飛び始めると、「秋だなぁ」よりも先に、「乾燥がやってくるなぁ」と、頭の中で注意警報が鳴っているような気がする。 ようやく朝晩は涼しくなったけれど、ここからは忍び寄る“乾燥”との戦い。...
2025年10月5日


黒い食べもの、白い息 — 食と眠りがつむぐ更年期の物語
「あぁ、アレ、アレ。ほら、アレ。」 “アレアレ詐欺”じゃないんだから…と言いたくなるくらい、単語が出てこない。 ふと気がつけば、寝汗とか、ホットフラッシュ。 おまけに、何でもない時に自分だけ滝のように汗をかくのも、恥ずかしい事この上ない。 これ、 更年期 ですよね?...
2025年9月30日


「 秋虎」に負けない!夏の疲れと残暑を整える中医学的セルフケア
🐯秋虎(しゅうこ)って何?季節の変わり目に“虎”が暴れる 残暑・乾燥・寒暖差――夏の疲れに追い打ちをかける 残暑がきびしいですね。 この残暑、中医学では「秋虎」と表現します。 夏の疲れが抜けきらない体を、“猛暑の虎”が見逃さずに襲ってくる。まさに秋の不意打ち、体調へのカウ...
2025年9月16日


中医学で“夏のこむら返り”を改善できる?
夜、ふと寝返りを打った瞬間
足のふくらはぎが突然、ギューーーーーンとつって、「いってぇぇぇぇ!!」と悶絶夏に増える「こむら返り」は、単なるミネラル不足ではなく“血と潤い”の不足かも?中医学の視点から足のつりの原因を解説し、薬膳レシピや養生法、おすすめ食材を紹介します。
2025年9月11日


月経痛と子宮筋腫:痛みのサインに耳をすませて
漢方薬局へ行くと、女性は必ず月経のことを聞かれる。──それは、冷やかしでも興味本位でもない。月経の状態は、女性の体質を知るための大きなヒントなのだ。
2025年9月10日


前立腺トラブルを防ぐ薬膳・中医学の知恵
前立腺癌は誰にでも起こりうる? 前立腺がんは、60歳以上の男性の約半分が『潜在的に持っている』そうです。 そうだよなぁ、と思います。 周りのおじさん達を見ると、「前立腺肥大」「前立腺の数値が高い」「前立腺癌の手術をした」など、話をしているのを良く耳にします。...
2025年5月31日


【立夏】ジャッキーに憧れて、馬歩する話
ー立夏・小満の季節にぴったりの薬膳習慣と、ジャッキーチェン式のエクササイズに挑戦する話ー 「なんか、蒸し暑いなぁ」と思っていたら、季節はいつの間にか“初夏”に入っていた。 そのうち、湿気が空気を重たくして、夏の気配がもうもうと立ち上がってくるだろう。 木々や草花は生い茂る。...
2025年5月27日


雑穀米バンザイ!粟への偏愛、稗の逆襲
——うっかりミスから学ぶ、雑穀の選び方と「粟ごはん」レシピ 雑穀は体にいいのです。 独特な匂いが苦手らしく、うちの旦那さんは好きではないらしい。 でも、やっぱり気になる雑穀ごはん。 そのなかでも、わたしの大注目は粟(あわ)! スーパーフード粟!...
2025年5月4日


【春の土用・梅雨】湿気に負けない体をつくる薬膳ケア
ー春から初夏へー空気と体が変わるとき 最近、なんとなく体がだるい、胃が重い・・・。そんな風に感じたことはありませんか? 桜が終わった頃から、だんだん空気がしっとりと湿り気を帯びてきました。 この湿気こそが、私たちの体調にじわじわと影響を及ぼす原因。...
2025年5月1日


子宮をいたわる毎日ごはんー冷え・巡り・よもぎの知恵
~冷え・気血・むくみを整える、台所からの提案~ よもぎの使い方・注意点も中医学的にやさしく解説 子宮の健康を守るために、一番大切なのは「日々のケア」。 薬膳の知恵では、「 気血を巡らせる 」「 胃腸を整える 」ことが、子宮を支える基本とされています。...
2025年4月30日


子宮がんと中医学|任脈・衝脈を整えて女性の体を守る方法
子宮がんってどんな病気? 子宮がんには2種類あります。 子宮頸がん:20〜30代で急増。ウイルス感染(HPV)が主な原因。 子宮体がん:閉経後〜更年期以降に多い。女性ホルモン(エストロゲン)過剰が原因。 特に子宮頸がんは、 初期症状がないため検診 がとても大切。...
2025年4月27日


乳がん予防に大切なこと——気血の巡りと胃腸のケアがカギ!
はじめに:乳癌ってどんな病気? 女性が最もかかりやすい癌。 でも、死亡率が低くて、早期に発見できれば9割の確率で治せるのが乳がん。 場所が胸だから、影響が深い臓器は「肺」とかかな〜、と思いがちだけど、実は「肝」「脾胃(胃腸)」と深い関わりがある。...
2025年4月17日
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