【鏡と内臓】——不老と美を求めた、皇帝たちのアンチエイジング術
- Emi

- 14 分前
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〜『黄帝内経』が教える「美しさは内臓から」〜
「鏡よ、鏡。鏡さん。この世でいちばん美しいのは誰?」
そう問いかけたのは、白雪姫の継母。
一方、中国の皇帝たちは、こう問いかけた。
「どうすれば、永遠に美しく、若くいられるのか?」
彼らは鏡を見る前に、内臓の声を聞こうとした。
——2000年前に書かれた
中国最古の医学書『黄帝内経(こうていだいけい)』をはじめとする医学書の数々。
これらは、ただの医学の本じゃない。
美しさと不老をめぐる、“身体との対話の書”なのです。
👑 美のゴールは「顔」じゃない。皇帝たちの美学とは?
この書が生まれた目的は、病気を治すことだけではない。
皇帝たちが求めたのは――不老不死。
人はなぜ老いるのか?
どうすれば衰えを止め、美しくあり続けられるのか?
そんな問いに向き合った中で生まれたのが、
「美容内治(びようないじ)」という考え方です。
✨中医美容の哲学①
「最強のビジュアルは、内臓が作る」
『黄帝内経』には、こう書かれている。
「内に形あれば、必ず外に現る。」
つまり、身体の内側にあるものは、必ず外見に映るということ。
中医学では、肌も髪も顔色も——
ぜんぶ、内臓の状態の“鏡”だと考えます。
例えば…
肌にハリがある
体の状態:「気」が満ちている
👉中医学の読み方: 元気の源・生命力が充実
顔がたるむ
体の状態:「脾」の気が不足
👉中医学の読み方: 気虚(ききょ)状態、引き上げる力が足りない
顔色がくすむ
体の状態:「血」の巡りが悪い
👉中医学の読み方: 血瘀(けつお)、冷えやストレスの影響も
肌が乾く、小じわが増える
体の状態:「津液(しんえき)」不足
👉 中医学の読み方:陰虚(いんきょ)、潤いが足りない
見た目の変化は、すべて体の声。
それを“読み解く”のが、中医美容の第一歩です。
✨中医美容の哲学②
「生命エネルギーは、眉に宿る」
気になるのは顔のシミ?
それとも、たるみ?
…いえいえ、まずは“眉毛”を見てください。
中医学では、眉毛は「腎(じん)」と「肝(かん)」の状態を映す場所。
「腎」=生命力・生殖・成長の源
「肝」=血の貯蔵、感情、精神の安定
この2つが健やかだと、眉毛はフサフサで力強い状態を保ちます。
逆に…
年齢とともに眉が薄くなる
抜けやすくなる
ハリがなくなってきた…
それは、生命力が少しずつ削られてきたサインかもしれません。
つまり、眉の元気=内臓の元気。
鏡を見るたびに、「今日は眉、元気かな?」と問いかけてみましょう。

🌿「美容内治十法」——内から整える、10の処方箋
美容は、表面を磨くだけでは変わりません。
体質ごと、根っこから整える。
それが中医美容の基本です。
悩み別に、体の内側からアプローチする「美容内治十法」という考え方があります:
シミ・くすみ
中医学のアプローチ:血の巡りを良くする
👉活血化瘀法(かっけつけおほう)
顔のたるみ
中医学のアプローチ:気を補って引き上げる
👉健脾益気法(けんぴえっきほう)
肌の乾燥
中医学のアプローチ:潤いを養う
👉滋陰増液法(じいんぞうえきほう)
これらの法則を使えば、自分の体質や悩みに合わせて、
内側から“自分だけの美”を整えていけるのです。
👘 あの則天武后も愛した、内からの美容
則天武后といえば、50代でも15歳の肌のように若々しかったと言われています。
その若さの秘密は…
豆を使った美白スープ
自作の漢方入り美容酒
内臓の状態に合わせた食事と薬膳
彼女が愛用した美容法も、まさに「美容内治」そのもの。
いま、私たちが鏡の前に立つとき——
“何を塗ろうか?”ではなく、
“内臓は元気かな?”と問いかけてみたくなる。
💡今日からできる、美容内治の入り口
眉をよく観察する
顔のくすみ・たるみの原因を「五臓」で考えてみる
朝、舌の色を観察して体調をチェックする
スキンケアの前に、白湯をゆっくり飲んで内臓を温める
小さなことでも、“自分を内側から見る視点”があるだけで、
美容は、もっと深く、もっと面白くなる。
🌸まとめ
中医学が教えてくれるのは、
「美しさは、外見だけでは完成しない」ということ。
気が満ちていて、
血が巡り、
陰陽が調和している。
そのとき、人は年齢を超えて“輝き”を放つのです。
不老不死は、もしかしたら実現できないかもしれない。
けれど、「今の自分」を、今日よりほんの少し美しくすることはできる。
そのためのヒントが、2000年前の書物に記されていた——
それって、ちょっと素敵な話だと思いませんか?




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