黒い食べもの、白い息 — 食と眠りがつむぐ更年期の物語
- Emi

- 9月30日
- 読了時間: 7分
「あぁ、アレ、アレ。ほら、アレ。」
“アレアレ詐欺”じゃないんだから…と言いたくなるくらい、単語が出てこない。
ふと気がつけば、寝汗とか、ホットフラッシュ。
おまけに、何でもない時に自分だけ滝のように汗をかくのも、恥ずかしい事この上ない。
これ、更年期ですよね?
えぇ、認めたくないけれど、女性の生理的な老化である“更年期”です。

■更年期とは?期間と症状の多様
最近は、男性でも更年期を経験する人が増えているらしいけれど、やはり「更年期=女性」のイメージが強い。男性の場合は期間は曖昧だけど、女性の更年期は閉経の5年前から5年後までの約10年も続く。10年間、長いですよね。
どうすれば少しでも楽に過ごせるのか、これは重要な課題です。
「更年期って、あなたはどう?」と、
気のおけない相手にはこっそり聞いてみたくなりませんか?
すると、「有名なサプリを飲んでいる」「汗対策にこんな工夫をしている」「病院に通ってホルモン剤を処方してもらった」など、三者三様、実にさまざまな体験談が聞こえてくる。
頭痛、肩こり、冷え…みんな微妙に違う、その症状。「更年期」で調べても、本当にたくさんの症状が書いてあって、とにかく多種多様すぎる!私は途中で読むのが嫌になりました。
更年期の不調は、いわば全身病。もともとその人が持っている“弱い部分”に出るらしい。だから、無数にあるのだけど、大きく3種類に分類できる。
体の不調(ホットフラッシュ、めまいなど)
心の不調(イライラ、落ち込む、物忘れなど)
見た目の不調(しみ、しわ、目の下のくま、白髪など)
女性ホルモンの守りのなくなった体は、病気リスクは上がる。おまけに、薄毛、ひげ…など、男性化してくることもあり……ほんと、最悪です。
■五臓の乱れが映す心と体 — 中医学の視点
そこで、中医学の出番。
中医学の考えでは、「腎(じん)のエネルギーが弱まることーーつまり老化」が一番の原因。でもそこに、“肝・肺・心・脾(胃腸)など、他の臓腑の乱れ”が重なることで、症状が複雑になると考えられています。
※ 腎はエネルギーを蓄える臓器で、ホルモンや生殖に関係する
【中医学的な更年期障害の考え方】
弱い臓器ほど、不調が表に出やすい
五臓すべてが連動するため、症状の種類は多岐にわたる
そのため、更年期の症状は十人十色
症状から辿れば、どの臓器の不調かわかるので、その人にあったオーダーメイドな更年期対策が見つかります。

■気血を養う睡眠術 — ブルーライトを避けて7時間睡眠
中医学の基本は、食生活や生活習慣を整えること
シンプルにいうと、「腎を強化する食材+タイプ別の食材」をとるように気をつける。大雑把に覚えておいて、まずはコンビニやスーパーでお惣菜や弁当を買う時にでも、選択肢に入れたらいいと思います。
でも、それよりも優先したいのが眠り🛏
国際的な研究では、成人の健康維持には1晩7〜9時間の睡眠が推奨されており 、6時間を下回ると糖尿病や高血圧などのリスクが高まることが示されています 。日付が変わる前に布団に入り、毎日7時間ほど眠ることを心がけると、昼間に消耗した気と血をしっかりと養うことができます。
昼間使った気血を睡眠で回復させるために、「7時間は寝る」「夜11時には寝る」これが大事ってことなのだ。
私の睡眠改善💤プロジェクト始動!
早寝早起き?7時間寝る?ほんと、憧れます。でも、これが意外と難しい。
ついつい夜寝るのが遅くなって、睡眠時間少なくなってしまう。
一週間の平均が5時間とか、ざらにある。......わかってます。これはよくない。
だったら、睡眠も量より質じゃない?と開き直っても、実際には夜中に目が覚めてしまい、半覚醒のまま朝を迎えることもしばしば。
これが目覚めの悪さや、翌朝まで疲れを残す状態につながっているんですよね。
「どうにかせねば!」と決意し、“敵を知るには、まず詳細データーから”というわけで、睡眠アプリで測定してみました。結果は散々……。
世の中には、睡眠のためのグッズもたくさんある。良い睡眠法を書いた書籍もたくさんある。だから当然、「睡眠用のパジャマや枕を買う」「リラックスする飲み物やお香を焚く」「ゆるく体操をする」など、たくさんの選択肢にあふれている。まずは、ついやってしまう悪習慣、『寝ながらスマホ見る』ことをやめてみた。すると早速、翌朝の睡眠データーに劇的な変化がありました!
夜遅くまでスマホを見続けると、ブルーライトが体内時計を狂わせて眠りを妨げる。
いやはや、ブルーライトが睡眠に良くないのは本当でした。遅くても、寝る30分前には画面を閉じるようにしてみたら、ぐっすり眠れてるようになりました。
■更年期を乗り切るための暮らしのヒントとまとめ
中医学では、更年期障害を表す単語の一つに「血枯」という言葉があります。文字通り、血が枯れる!!つまり、昔から女性の体にたっぷりの血があることが、元気に美しくいられる秘訣だ、ということです。
大事なのは、自分に合わせた食事+睡眠。
でも、『真面目な人ほど更年期障害がひどい』という話も聞くので、できることから気軽に実践してしていけばいいと思います。
更年期の対策は、まずは睡眠から!
あなたはよく眠れていますか?
🍴体質タイプ別の食材とコンビニで選べるメニュー
内側からそっと整える薬膳は、体質に寄り添ってこそ真価を発揮します。ここでは、更年期に揺らぎやすい体を支える食材をタイプ別にまとめました。
⭐腎を補う食材と黒い食べもの【基本ベース】
更年期は生命力の源とされる「腎」が衰えがちな時期。腎精を養うとされる黒い食材(黒豆・黒ゴマ・黒きくらげ・黒米・ひじき・海苔・昆布・わかめ)を意識して取り入れましょう 。山芋や牡蠣、鰻、穴子、ブロッコリー、うずら卵、葡萄、にら、えび、くるみ、栗、杜仲茶も腎を支えるとされています 。
※大豆製品に含まれるイソフラボンは植物性エストロゲンとして働き、黒豆や黒きくらげには血を補い巡らせる作用があると伝えられています。
💛心が疲れやすいタイプ(心血不足)
不眠や落ち込み、動悸、物忘れが気になる方は「心」を養う食材を。百合根やレンコン、卵、なつめ、はちみつ、あさり、ココナッツが穏やかに心を整えます。卵サラダやおでん卵、ナタデココ、葡萄ジュース、あさりの味噌汁、レンコンチップなど手軽な惣菜も活用できます。
💦やる気が出ないタイプ(脾気虚)
だるさやイライラ、食後の眠気、朝起きられないなどのサインは「脾(胃腸)」の弱り。さつまいも、里芋、じゃがいも、大豆、舞茸、椎茸で脾を支えましょう。枝豆やミックス豆サラダ、おから、炒り大豆、カップ味噌汁、なめたけ、焼き芋、肉じゃがなどもおすすめ。
🤬イライラタイプ(肝気鬱滞)
自律神経症状やゲップ、目の充血、胸脇の張り、発汗などは「肝」の気が滞っているサイン。セロリ、春菊、青紫蘇、ミツバ、ミント、柑橘類、ジャスミンなど香りの良い食材が気の巡りを助けます。青じそドレッシング、みかん缶入り寒天、ジャスミン茶、ハーブ系のメニューも手軽です。
😿潤い不足タイプ(陰虚)
ホットフラッシュや喉の渇き、乾燥、寝汗が気になる方には潤いを与える豚肉、白菜、豆腐、豆乳、白ゴマ、シーフードを。豚汁、豆腐サラダ、とろろそば、白菜の漬物、チーズ、帆立貝柱、ヨーグルトなど日常のおかずで補えます。
⛄冷えタイプ(陽虚)
寒がりでトイレが近い、下半身がむくみやすい、下痢しやすい方は体を温める牛肉、生姜、長ネギ、かぼちゃ、鮭、紅茶、シナモンなどを。エビシューマイやにら餃子、牛丼、鮭フレーク、パンプキンスープ、ビーフカレーなども温め効果が期待できます。
⚡痛みタイプ(瘀血)
関節痛や頭痛、肩こり、子宮筋腫、末端冷えを感じる方は血行を促す玉ねぎ、鯖、なす、ピーマン、ターメリックなどスパイス類を。オニオンスープ、サバ缶、カレー、黒酢ドリンク、桃缶なども日々の食卓で取り入れやすいでしょう。
*どのタイプでも、食材は薬ではなく「養生」の一環です。持病やアレルギーのある方、薬を服用している方は、体質や症状に合った量や組み合わせを医師や薬膳の専門家に相談しながら試してみてください。シンプルな食材選びに睡眠や運動を組み合わせれば、更年期のゆらぎを穏やかに乗り越える助けとなるはずです。




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