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髪をとかすだけで眠りが変わる|古代中国の秘術「梳髪(そはつ)」という養生

  • 執筆者の写真: Emi  | Kenshirou Siba Labo
    Emi | Kenshirou Siba Labo
  • 11 時間前
  • 読了時間: 4分



🪮 古代中国の秘術「梳髪(そはつ)」



――髪をとかすだけで、気血が整う理由



今日も、私はうちの犬のブラッシングを欠かさない。

それは、抜けかけた“冬毛を漉く”という必要に迫られているだけでなく、

もっと奥深い意味もある。


犬のヘッドスパとして、体調を整えているのだ。

犬は言葉で不調を言えないから、こういう小さなケアが、案外すべてだったりする。


「髪をとかすだけで体が変わる」

こう書くと、だいたい胡散臭い。

私もそう思う。むしろ、思いたい。


でも困ったことに、梳髪(そはつ)はちゃんと理屈がある。


冬のように、冷えと乾燥で「巡り」が鈍る季節。

あるいは、スマホと考えごとで頭がパンパンになる日。

そんなときに“梳髪”は、拍子抜けするくらいシンプルに効く。


やることは一つ。

髪を、とかす

それだけ。


冬の湖と山を背景に、五色の星が夜空に浮かぶ切手風の絵本イラスト。大雪と冬至の養生、腎を養う静かな冬の世界観を表現している。
春の自分へ、そっとエネルギーを貯める冬


髪は、体の「通信ケーブル」



中医学を少しでもかじったことのある人なら、

髪は血の余り」という言葉を聞いたことがあるかもしれない。


中医学では「髪は、血の余り」と言われています。体内の血が十分に満ちて、はじめて頭髪まで栄養が届く、という考え方です。

血は、酸素と栄養を運ぶ。

つまり髪は、体の状態を映す“アンテナ”。


たとえば――


  • 血が不足すると:髪が細くなり、抜けやすくなる

  • ストレスや過労が続くと:白髪、うねり、パサつき

  • 潤い不足だと:フケ、かゆみ



極度の貧血だった時、私の髪は本当に頼りなかった。

あれは偶然ではなく、体の正直なサインだったのだと思う。


そして髪だけでなく、「頭」そのものが、全身のバロメーターでもある。





1. なぜ「頭」を整えると、全身が変わるのか



中医学で、頭はただの“”ではありません。


古典では

「諸陽の会(しょようのかい)」

――全身の陽気(活動エネルギー)が集まる場所とされます。

もう少し現代語にすると、


  • 頭は、神経・感覚・血流の司令塔

  • しかも、経絡(気の通り道)が集中する“交差点”

  • だから、頭が詰まると全身が詰まる



肩こりがひどい日に、顔がむくむ。

考えすぎた夜に、眠りが浅い。


あれは気分ではなく、「巡りの渋滞」。


梳髪は、その渋滞を、櫛でほどく行為です。





2. 梳髪は「気の流れ」を起こす、小さな儀式



頭皮は、皮膚でありながら、ちょっと特別な場所。


毛穴があり、汗腺があり、血管が多く、

なにより「気血」が集まりやすい。


梳髪をすると――


  • 頭皮が刺激されて血流が動く

  • こわばりがほどけて、気が巡る

  • 上にのぼった熱が散って、落ち着く



つまり、

頭の中の“余分”を流し、必要なものを回す作業。


朝にやれば目が覚める。

夜にやれば静かになる。


派手なことは何もしていないのに、体はちゃんと反応する。

そこが、梳髪の怖いところ(褒めてる)。





🌞 朝の梳髪



――目覚める、整う、動き出せる


冬の朝、体はまだ“閉蔵モード”。

魂が布団に置き忘れられていることがある。


朝の梳髪は、

頭の「陽気スイッチ」を、やさしく押すイメージ。


  • 頭がすっきり

  • 目が開きやすい

  • 集中が戻る

  • 顔がむくみにくい



コーヒーの前に、櫛

意外と効きます。





🌙 夜の梳髪



――熱を下げ、思考を静め、眠りに入る


夜は、頭に熱がこもりやすい。


SNS、ニュース、締切、反省会。

全部が頭の中で二次会を始める。


夜の梳髪は、その二次会を解散させる作業。


  • 目の奥の疲れがほどける

  • こめかみが軽くなる

  • 気持ちが静まる

  • 寝つきがよくなる



眠れない人は、まず頭を冷ます

梳髪は、この知恵にぴったり沿っている。





4. どうやってやるの?




道具



  • 目の粗いクシ(ブラシでもOK)

  • 静電気が起きにくいものが理想




やり方



  1. 生え際 → 頭頂 → 後頭部へ、ゆっくりとかす

  2. 左右も同じ

  3. 最後に、首の付け根まで“流す”




回数



  • 30〜100回くらい

  • 速さより「ゆっくり」




コツ



  • 痛いほど強くしない

  • 髪ではなく「気」を整えるつもりで






5. やさしめにしたほうがいい人



次の人は、力を抜いて。


  • のぼせやすい/顔が赤くなりやすい(体に熱がこもりやすい)

  • 頭痛がある日

  • 頭皮が荒れている

  • めまいがある



回数を減らす、夜だけにする、で十分です。





6. 梳髪は「美容」より先に「養生」



顔の印象が上がるとか、リフトアップとか。

そういう話もあります。


でも本質はそこではない。


  • 眠りを整える

  • 頭の緊張をほどく

  • 気血の巡りを戻す

  • 冬の省エネモードを助ける



つまり、

静かに自分を回復させる生活技術。


冬の養生は、がんばることじゃない。

余計な消耗を減らすこと。


その入口として、

梳髪はちょうどいい。


手間がないのに、体がちゃんと覚えるから。





*なぜ冬に、こんな静かな養生が効くのか。

それは、前回の記事「腎と冬至の話」にあります。



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