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日々のかけら―犬と薬膳と暮らしの記録
柴犬ケンシロウと暮らす書き手が犬と人の薬膳、日々の気づき、浄瑠璃や文化、イベント制作の現場を記録するブログ


🐕🦺【ケンシロウ日誌Vol.9】ケンシロウと都合のいい耳
——聞こえないふりにも、ひそやかな理由がある。 「ケンくん、もう帰るよー」 朝、実家にケンシロウを連れて行った。 彼は今、2階で母におやつをねだっている。 ケンシロウは 階段 を降りるのが得意だ。 小さい頃、抱っこされたまま身を乗り出して段差を研究していたせいか、 今では重力と一緒に ダダダダッ と駆け降りてくる。 ──のはずが、今日は音がしない。 「ケンシロウ、帰るよ!!」 待てど暮らせど、“ダダダダッ”が聞こえない。 はよ降りてこい、ケンシロウ。 “聞こえないふり”—-今日もケンシロウの知恵が光る ママは絶対。 ごはん、散歩、おやつ。 ケンシロウの生活のほぼ全てがママで成り立っている。 家の中では、ほぼ小さなストーカー。 そんなケンシロウが、最近身につけた技がある。 それが “都合のいい耳” 。 「けんくん! 来なさい!!」 ママの言葉は絶対。 でも 聞こえなければ 仕方ないじゃん。 「けんくん!!」 これは反抗ではない。 ただ──聞こえないだけ。 得意のスルーでも、無視でもない。 これは、れっきとした “聞こえないふり” 。 思い出す。
2025年12月30日


松の実のちから——冬のからだを満たす、小さな粒の物語
冬、空気の温度がひとつ落ちるたび、 肌も呼吸も、こころも静かに内側へと沈んでいく。 そんな季節にそっと手渡される小さな宝物—— それが 松の実 です。 ナッツの顔をしているのに、どこか “薬”の気配 をまとっている。 それもそのはずで、松の実は中医学では 「食材と生薬のあいだ」 にいる特別な存在。 気を補い、肺と腎を潤し、からだの奥に火を灯す。 まさに 冬を支える“見えない杖” のような食材です。 でも正直なところ、ちょっと使いにくい。 香りは強く、油分も多く、そのままだと主張が激しい。 私も袋を開けては閉じ、使いこなすまでずいぶん悩んだひとりです。 今日はそんな松の実を 「どうすれば美味しく、無理なく、毎日食べられる?」 という視点で深掘りします。 体を潤し、命の底(腎)を支えてくれる、冬の相棒。 少量で驚くほど働いてくれるその魅力を、存分に。 冬のからだを満たす“小さな粒”、松の実 🌲 松の実はなぜ“冬の養生”に効くのか 松の実は、薬膳の世界では 肺・腎を同時に潤す 数少ない食材。 肺を潤す → 冬の乾燥咳に強い 腸を潤す → 冬の
2025年12月27日


体が弱ったとき、何を食べる?——産後・病後・高齢期のやさしい回復食
——弱った胃腸に、朝の一杯の“祈り”を。 体が元気な時、人はあまり食べもののことを深く考えない。 お腹が空けば好きなものを食べ、朝食の時間がずれても気にしない。 けれど—— 産後、病後、食欲が落ちた高齢者の介護。 「何を食べればいいのか」 が突然、切実な問いになる。 中医学では、 朝7〜9時 は「胃」の時間。 この時間に口にするものは、その日の体調を左右するほど大切とされる。 そこで選ばれるのが、 最もやさしく、最も奥深い料理—— “粥” 。 お粥の表面に浮かぶ薄い金色の層は「米油(べいゆ)」と呼ばれ、 古くは “飲む点滴” とも言われてきた。 米がゆっくり煮崩れ、甘みと栄養が滲み出した証。 中国では、米に雑穀・豆・野菜・果物・ナッツ。 時には黒砂糖やはちみつを加え、 その家の身体と暮らしに合わせた「粥」を仕立ててきた。 ここでは、体の回復段階に合わせた 3つのステップ粥を紹介する。 やさしい朝の回復食——からだをいたわるおかゆの時間 ステップ1|体が弱り切っている時の“長芋粥” ◎対象:産後・病後・寝たきり・胃腸虚弱 最初に必要なのは、 「
2025年12月20日


🐕【ケンシロウ日誌 Vol.8】ケンシロウと“ひゃーひゃーゲーム”
——犬には、その人にしか見せない“顔”がある。 見ていないようで、よーく人を観察している。 この人には甘えていい、この人には無理はしない。 お散歩コース も同じ。 パパとしか行かないコースもあり、パパとしか遊べない遊びもある。 そして── パパにしか見せない顔 がある。 それは、時に危険がつきもので…… 特別な時間は、いつも全力ジャンプから始まる ケンシロウとパパが公園の芝生で繰り広げる遊び、 “ひゃーひゃーゲーム” 。 それは、お互いの 阿吽の呼吸 で始まるらしい。 おもむろに、パパがケンシロウと 距離をとる 。 「おっ?例のやつ、やるのか?」 ケンシロウは、それだけで今から“何が始まるか”わかっている様子。 ワクワクした様子で、尻尾を振っている。 そして、ゲーム開始を告げる、パパの呼び声が高らかに響く。 「ケンシロウ、こい!」 赤いバンダナを風になびかせて、ケンシロウが一直線に飛び込む。 こうして、“ひゃーひゃーゲーム”は幕を開ける。 実際のところ、2人で向き合って、ひたすら上に ジャンプ をするだけ。 でもそれが結構盛り上がるらしい。 そし
2025年12月19日


皇帝・溥儀と「陽委」── 中医学が見つめる“男性の悩み”の話
EDは「年齢のせい」だけではありません。中医学では、腎虚・肝気鬱結・血瘀など、体質ごとに原因が異なると考えます。本記事では、溥儀の陽委の逸話を手がかりに、体質別の原因と改善法をわかりやすく解説します。 ラストエンペラーで知られる清朝最後の 皇帝・溥儀 。 彼が性生活の問題を抱えていたことは、本人の回想録や研究でもたびたび触れられている。 「陽委(ようい)」── 現代で言うところのEDに近い症状を抱えていた、という説もある。 もちろん当時の医学記録は限られているが、30年、治療を受けていたという話も伝わっている。 EDと聞くと “精力剤を飲む” そんなイメージが浮かぶかもしれない。 けれど、そこは “不老不死” を追い求めた中国の皇帝。 溥儀が安易な強壮剤に頼ったはずがない。 当時の皇帝たちが用いていた強壮薬── 鹿茸 (ろくじょう/鹿の角)、 海馬 (タツノオトシゴ)、 紫河車 (人の胎盤)などの動物性生薬。 そのような薬膳・漢方療法を、溥儀も試していた可能性が高い。 おそらく彼には 「腎の生命エネルギーの不足(腎虚)」 そして ストレスによる“
2025年12月13日


乾燥と冷えが始まる季節に——肺を守る養生と、秋冬の潤いごはん
🍂乾燥と冷えが重なる季節にやってくる不調 なぜ寒くなると、風邪やインフルエンザが流行するのか? 理由のひとつに、やはり「乾燥」がある。 肺 は乾燥に弱い臓器。 乾燥でダメージを受けると、免疫力はすぐに落ちてしまう。 秋から始まった「燥邪」、冬に強まる「寒邪」。 この二つが合わさると、体はあっという間に守りを失う。 加湿器だけでは追いつかない季節。 そろそろ “体の内側から” 潤いを補うタイミングです。 からだを潤す“白”と、胃腸を養う“黄” 🤧乾燥が本気を出すと、体はこう叫ぶ 止まらない咳。 喉のイガイガ。 朝起きた瞬間の鼻の乾燥。 これはすべて「肺の乾き」のサイン。 ただし、咳にもタイプがある。 🤧あなたの咳はどっち? ①空咳タイプ(乾燥・熱) 喉がカラカラ 乾いた咳 痰なし → 潤すケア 梨 はちみつ 柿 れんこん 白きくらげ 杏仁(あんにん) 簡単レシピ:梨とはちみつの潤いシロップ 梨を薄切りにして小鍋へ。 はちみつ大さじ1、少量の水を入れて5分弱火で煮るだけ。 喉がスッとする「潤いの補給水」。 ②痰ありタイプ(冷え・湿) 体が重い
2025年12月11日


🐾【ケンシロウ日誌 Vol.7】ケンシロウと根性の石
――沈黙の中に、強さは光る。 家に 小石 が落ちていること、ありませんか? 我が家では、よく落ちているんです。 ごくごく小さいものから、ちょっとした大きさのものまで、大小さまざま。 あまり気にしていなかったのですが……。 ある日、近所のワンちゃんが2匹も足を切断していた。 3本足でお散歩する姿をよく見かける。 犬の足を切断する病気って、そんなに“あること”なの? ケンシロウもひと事じゃない。 もしも “予兆” があるなら、早めに見つけてやらなくちゃ。 そんな使命感にかられて、お散歩中のケンシロウを じっと観察 するようになった。 小さいことから、コツコツと。 ほんの小さな変化も見逃さないように。 小さな石と歩いた日。 すると、時々ね、足を擦っている。 ずりっ。 ひょこっ、ひょこっ 。 なんだか歩きにくそうにしている時がある。 でも、本人は気にしていない。 立ち止まることもなく、いつの間にか スタスタ 歩いている。 気になるけど、ひとまず“経過観察”ということにしておく。 ある日、あまりにも痛そうだったので、 「ケン君、大丈夫?」 と声をかけてみた
2025年12月5日


西太后の美容法──帝国レベルの“若返り”プロジェクト
「皇后の贅沢」なんて言葉では足りない。 西太后の美容法は、 “ 帝国の威信を背負った美の大プロジェクト ” だった。 70歳を過ぎても白く透き通る肌、張りのある顔、ふっくらとした頬。 その若さと美しさは伝説となり、「50代で15歳に見えた」とさえ囁かれた。 それは決して偶然ではなく、内側と外側、どちらも徹底的に磨き抜いた 中医美容の到達点 だったのです。 漢方風呂で、2000年先をゆく美しさ。 🛁 美容風呂:12種の生薬で仕立てる“皇后の湯” 西太后の美容法の代名詞が、毎日の薬草風呂(薬湯)。 🌿 使用されたとされる生薬: 白芷(びゃくし)、当帰、艾葉(よもぎ)、茯苓、桂皮、玫瑰花(バラ)、陳皮、薄荷、茉莉花(ジャスミン)など。 🛀 効果: 肌の保湿、美白、血行促進 香りによる“気”の巡り改善(行気) 自律神経の調整とリラックス 「香る肌」を目指す体臭ケア 📜 美容ルーティン: 入浴後は薬膳スープと** 養顔茶 (美容茶)**を摂取 残り湯で顔と手足をマッサージ 🍵「食べて美しく」——漢方粥と養顔スープの習慣 西太后の美しさを支えていた
2025年12月4日
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