🐕【ケンシロウ日誌 Vol.8】ケンシロウと“ひゃーひゃーゲーム”
- Emi | Kenshirou Siba Labo

- 2025年12月19日
- 読了時間: 3分
——犬には、その人にしか見せない“顔”がある。
見ていないようで、よーく人を観察している。
この人には甘えていい、この人には無理はしない。
お散歩コースも同じ。
パパとしか行かないコースもあり、パパとしか遊べない遊びもある。
そして──パパにしか見せない顔がある。
それは、時に危険がつきもので……

ケンシロウとパパが公園の芝生で繰り広げる遊び、“ひゃーひゃーゲーム”。
それは、お互いの阿吽の呼吸で始まるらしい。
おもむろに、パパがケンシロウと距離をとる。
「おっ?例のやつ、やるのか?」
ケンシロウは、それだけで今から“何が始まるか”わかっている様子。
ワクワクした様子で、尻尾を振っている。
そして、ゲーム開始を告げる、パパの呼び声が高らかに響く。
「ケンシロウ、こい!」
赤いバンダナを風になびかせて、ケンシロウが一直線に飛び込む。
こうして、“ひゃーひゃーゲーム”は幕を開ける。
実際のところ、2人で向き合って、ひたすら上にジャンプをするだけ。
でもそれが結構盛り上がるらしい。
そして、かなり息が切れるらしい。
(私とはしたことがない)
キャッキャ、キャッキャと
芝生の上へ飛び跳ねる、1人と1匹。
ふたりで跳ねて、笑って、騒ぐ。
それは、パパとケンシロウだけの特別な遊びだった。
……ある日、事件が起きるまでは。
ある時、ケンシロウがポンっと先に着地した。
少し遅れて——
パパの100キロが、ズシン。
……そう、ケンシロウの足の上に。
公園の空気が、ひと呼吸だけ止まった。
「うぎゃーーーーーー!!」
ケンシロウ11歳、13キロ。
公園に響いた犬の本気の大絶叫。
「ただいま」
私にケンシロウの散歩紐を渡しながら、パパがいう。
「犬って、本気で叫ぶときは、“ワン”じゃなかったよ。」
——そして、語られたケンシロウの災難。
足を踏んだ後、ひゃーひゃーゲームはどちらからともなく終わりを告げた。
始まった時も阿吽の呼吸なら、終わる時もそれは同じ。
「……帰るか」
お互いに思うことは一緒だったようで、あっさりと帰途につく。
ケンシロウは足をひょこひょこと、ひきづっていた。
「私が見た時は、普通だったよ?」
というと、ママがいるのを見て、急に普通に歩き出したらしい。
これは、パパとの遊びだから、
ママは知らなくていいことなのかもしれない。
しかし、その日を境に、“ひゃーひゃーゲーム”は封印された──。
🐕今日のケンシロウの一日
朝:パパとあそぶ♪ 芝生ってサイコー!
昼:……足がバキッてした
夕:だいじょうぶ。でもパパ、ちょっと痩せよ?(切実)
🌟 次回予告|Vol.9
「ケンシロウと都合のいい耳」
実家の2階。
呼んでも呼んでも階段を降りてこないケンシロウ。
——聞こえないふり?
——いや、絶対聞こえてるやつ。
ママの声だけ都合よくスルーする、あの“謎の耳”。
やっと降りてきたと思ったら、口からほのかにチーズの香り。
次回は、
老犬になって身につけた(?)ケンシロウの“便利な耳”の秘密をお届けします。




コメント