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🐾 【ケンシロウ日誌 Vol.5】ケンシロウと秘密の交友録

  • 執筆者の写真: Emi  | Kenshirou Siba Labo
    Emi | Kenshirou Siba Labo
  • 2025年11月21日
  • 読了時間: 4分

更新日:2025年11月25日


——武士は食わねど、おやつは別腹。




道で会っても、知らん顔。

いつもケンシロウに無視されるのは、近所で一人暮らしをしているおじいちゃん。


大の犬好きで、特にケンシロウのことは大好き。



トレードマークの赤いバンダナで、遠くからケンシロウを見かけると、

自転車に乗ってピューッと大急ぎで追いかけてくる。

ケンシロウはあちこち小さな小道を曲がるので、見失っても探してくる。



「ケンちゃん!」

どかどかと近づいてくるおじいちゃんに、


ケンシロウは「……あんた、誰?」と、得意のスルー技。



大きな声や、あからさまな“ケンちゃん大好き圧”が苦手なのかもしれない。

愛犬のそっけなさに、私は毎回申し訳なさでいっぱいになる。





そんなケンシロウが昼間だけで暮らしていた頃のこと。

何気なく窓から覗くと、あげた覚えのないおやつを食べていた。


慌てて駆けつけると、ケンシロウは全部口に押し込んで証拠隠滅



「知らない人からおやつをもらったらイカン!」

思わず声を荒げ、ケンシロウを家の中へ連れ戻した。


それからも何度か見かけた、謎のおやつ。

変なものではなさそうだけど、少し気になっていた。



おじいちゃんの手からそっとおやつを受け取る柴犬ケンシロウ。  ふたりだけの“秘密の交友録”を描いた、やさしい絵本タッチのイラスト。
「知らない人からはもらわない」——はずだった。



そして、ある日のこと。

例のおじいちゃんがきて、何やらゴソゴソしている。


ケンシロウは、少し距離をとって見ている。



おじいちゃんが立ち去ったあとには——おやつの山。


謎のおやつの犯人は、おじいちゃんか。

いつもの“ケンシロウ愛”からして、妙に納得である。



ケンシロウはすぐには食べない。

おじいちゃんもそれをわかっているのか、「あばよ」的にスッと立ち去る。


立ち去るのを見計らって、ケンシロウがそろそろと前へ——そして、パクリ


よく見ると、門の影からそっと覗くおじいちゃんがいた。

……なに、この関係(笑)


おじいちゃんは、満足気に立ち去る。

ケンシロウは何事もなかったかのように定位置へ戻る。

そして道で会うと、相変わらず真っ向無視。


ほんと、なに、この関係(笑)





家族以外から「けんちゃん」と呼ばれてもスルー。

知らない人からのおやつはもらわない。


それが、私の知っているケンシロウだった。



お散歩の途中で、他のワンちゃんの飼い主から「おやつ食べる?」と差し出されても、

プイッと顔を背けて立ち去ろうとする。



「このおやつ、好みじゃなかったかなぁ」と苦笑され、

いや、そのおやつ、本当はケンシロウの大好物です……とも言えず、

「すみません」と謝ることも数知れず。


「武士は食わねど高楊枝」


例え欲しくても、知らない人からの施しは受けない。

THE日本犬なのだと、私は勝手に誇らしく思っていた。



まさか——

飼い主の知らないところで、

「知らない人からは貰わないけど、落ちてるおやつはOK」

みたいな抜け穴を作っていたとは。


まるで、“落ちたものも3秒以内ならセーフ”みたいな、ケンシロウ独自ルールである。





その後、庭先で再びケンシロウとおじいちゃんを発見。


私が一緒にいたからか、初めておじいちゃんの目の前で、出されたおやつを食べた。



「クララが立った!」とアルプスの少女ばりに、

「けんちゃんが、わしの目の前で食べた!」

おじいちゃんの声は、近所まで響くほど感動に満ちていた。


よかったね、おじいちゃん。


飼い主公認と思ったのか、バレた2人は堂々とおやつを食べる仲になった。


でも、そこからさらに関係は進化して、

道で会うと、ケンシロウがドロップキックをかましておやつを強請るようにまでなった。



キックされて、よろめくおじいちゃんは、どこか嬉しそう。


それでいいのか?おじいちゃん。


(……まあ、いいか。)



結果的に、おじいちゃんのおやつ大作戦は見事成功したのでしょう。


そして、私にバレて——

ケンシロウとおじいちゃんの“甘い共謀”は、静かに幕を閉じたのです。



🐾今日のケンシロウの一日


朝:散歩の後は、庭で待機。


昼:俺の“オヤツ”がやってきた。


夜:ママには内緒。ご飯?いつも通りに食べる。だって、おやつは別腹!







ケンシロウ日誌 Vol.6

『喧嘩上等!? 柴犬アウトレイジ朝散歩録』

——静かに歩く、犬社会のハードボイルド。

おやつの前では、どんな抗争も終戦する?


毎朝の散歩道。

優しいおじいちゃん犬ケンシロウが、なぜか次々と“挑まれる”。

柴犬オスの世界は、どうやら甘くないらしい——。

近日公開予定。あなたの柴くんは、どんな朝を歩いていますか?



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