🐾【ケンシロウ日誌 Vol.7】ケンシロウと根性の石
- Emi | Kenshirou Siba Labo

- 2025年12月5日
- 読了時間: 3分
――沈黙の中に、強さは光る。
家に小石が落ちていること、ありませんか?
我が家では、よく落ちているんです。
ごくごく小さいものから、ちょっとした大きさのものまで、大小さまざま。
あまり気にしていなかったのですが……。
ある日、近所のワンちゃんが2匹も足を切断していた。
3本足でお散歩する姿をよく見かける。
犬の足を切断する病気って、そんなに“あること”なの?
ケンシロウもひと事じゃない。
もしも“予兆”があるなら、早めに見つけてやらなくちゃ。
そんな使命感にかられて、お散歩中のケンシロウをじっと観察するようになった。
小さいことから、コツコツと。
ほんの小さな変化も見逃さないように。

すると、時々ね、足を擦っている。
ずりっ。
ひょこっ、ひょこっ。
なんだか歩きにくそうにしている時がある。
でも、本人は気にしていない。
立ち止まることもなく、いつの間にかスタスタ歩いている。
気になるけど、ひとまず“経過観察”ということにしておく。
ある日、あまりにも痛そうだったので、
「ケン君、大丈夫?」と声をかけてみた。
でも、散歩が優先のようでひたすら前進。
「ケンくん、ちょっと待って」
強引に立ち止まらせ、1本ずつ足裏を確認してみると——
肉球の間に、小指の先ほどの石がキュッと挟まっていた。
なるほどね。
“犬の肉球=スニーカーの裏の溝”ってことか。
靴底の溝に小石がはさまることがあるけれど、それと同じ。
ただ、肉球はやわらかく広がる分だけ、靴底よりも大きめの石が挟まるらしい。
これ、きっと痛かっただろうな。
それでも平然と歩き続けるケンシロウ。
いつも妙なところで発揮される、その謎の根性。
ぽいっと石を取ってやる。
「助かった」とか「ありがとう」とか、そんなそぶりも見せず、
ケンシロウは何事もなかったようにスタスタ歩きはじめた。
我が家に時々落ちている石は、どうやら肉球から運ばれてきたものらしい。
パパのズボンの裾に巻き込まれてやってきた石だと思っていたけど、
犯人はケンシロウの肉球だった。
砂利石。
砂石。
小石。
時々、パパが素足で踏んづけて「いたっ」と言う、あの謎の石。
その正体は、途中で落ちることなく、
肉球に挟まり続けていた——
ケンシロウ並みに根性のある石だった。
今日も、ケンシロウの足裏には、小さな石が潜んでいる。
誰にも気づかれず、誰にも知られず。
それでも彼は歩き続ける。
ケンシロウの歩みは、根性のある石と共にある。
🐕 ケンシロウの今日の1日
朝:太陽といっしょに散歩。
昼:小石と歩く。でも途中でバイバイ。
夕:今日は小石も連れて、ただいま。
ケンシロウ日誌 Vol.8|ケンシロウとひゃーひゃーゲーム
犬は人をよく見ている。
誰には甘えてよくて、誰には油断できないかも全部分かっている。
そして──
ケンシロウには “パパにだけ見せる顔” があった。
芝生で繰り広げられる、パパとの特別な遊び
「ひゃーひゃーゲーム」。
飛んで、跳ねて、笑って、追いかけて。
赤いバンダナが風を切り、
ふたりだけの時間が流れる。
……けれど、その日、ひとつの“事故”が起きる。
何があったのか?
そして、ふたりの遊びはどうなってしまうのか?
次回、ケンシロウ日誌 Vol.8
『ケンシロウとひゃーひゃーゲーム』
沈黙の先に、小さな真相がある。




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