体が弱ったとき、何を食べる?——産後・病後・高齢期のやさしい回復食
- Emi | Kenshirou Siba Labo

- 2025年12月20日
- 読了時間: 3分
——弱った胃腸に、朝の一杯の“祈り”を。
体が元気な時、人はあまり食べもののことを深く考えない。
お腹が空けば好きなものを食べ、朝食の時間がずれても気にしない。
けれど——
産後、病後、食欲が落ちた高齢者の介護。
「何を食べればいいのか」が突然、切実な問いになる。
中医学では、朝7〜9時は「胃」の時間。
この時間に口にするものは、その日の体調を左右するほど大切とされる。
そこで選ばれるのが、
最もやさしく、最も奥深い料理——“粥”。
お粥の表面に浮かぶ薄い金色の層は「米油(べいゆ)」と呼ばれ、
古くは “飲む点滴” とも言われてきた。
米がゆっくり煮崩れ、甘みと栄養が滲み出した証。
中国では、米に雑穀・豆・野菜・果物・ナッツ。
時には黒砂糖やはちみつを加え、
その家の身体と暮らしに合わせた「粥」を仕立ててきた。
ここでは、体の回復段階に合わせた
3つのステップ粥を紹介する。

ステップ1|体が弱り切っている時の“長芋粥”
◎対象:産後・病後・寝たきり・胃腸虚弱
最初に必要なのは、
「負担なく栄養を入れられる食事」。
その代表が 長芋。
脾・肺・腎に入る万能食材で、
・消化を助け
・体力を回復し
・ゆっくり血を巡らせる
弱った体に、しみこむように効く。
🍚中華風・長芋粥(2杯分)
材料
米 1/2合
水 750ml
ごま油 小さじ1
長芋 200g(角切り+すりおろし)
塩 小さじ1
生姜(お好みで)
作り方
鍋に研いだ米とごま油を入れて混ぜる。
水を加え、ふつふつしてきたら底をこそげるように優しく混ぜる。
弱〜中火で20分。
角切りの長芋を入れて10分。アクを取る。
塩で味を整え、火を止めて5~10分蒸らす。
器に盛り、すりおろした長芋をのせ、醤油を少したらす。
ポイント
ごま油が出汁の役目をする
角切り+すりおろしで食感に変化
消化に最小限の負担で最大の栄養
ステップ2|回復してきたら“気血を作る粥”
体に“材料”を入れていく段階。
脾胃を養い、血を増やし、気を補う食材を使う。
🍚棗と鶏ささみの粥
米 大さじ3〜4
水 300ml
棗 2〜3個
鶏ささみ 1/2本
枸杞 小さじ1
作り方
米と水を火にかけ、沸いたら弱火。
ささみを丸ごと入れる。
米が柔らかくなったら取り出してほぐし、戻す。
枸杞を入れてひと煮立ち。
🍚ねぎ粥(脾胃を温める)
もち米 1カップ
長ネギ(3cm)1本
生姜みじん切り 10g
酢 大さじ1
水 9カップ
作り方
もち米・ねぎ・生姜を入れて沸騰後40分煮る。
最後に酢を加えて仕上げる。
🍐梨粥(熱取り・痰切り)
米 1カップ
梨(薄切り)大1個
水 8カップ
作り方
粥がとろりとしたら梨を入れ、5分煮て完成。
ステップ3|元気が戻ったら“活力を満たす粥”
雑穀をプラスし、生命力を底上げする食材を足す。
◎おすすめの追加トッピング
黒胡麻(大さじ1〜2)
砕いた胡桃(2〜3粒)
黒豆の煮物
栗の甘露煮
黒い食材・ナッツ類は腎を補う最強の朝食。
+意外と重要:体が弱っている時の“洗髪ルール”
お粥と同じく、これも昔からの養生法。
体が弱っている時、
髪を洗うという行為は想像以上に体力を使う。
さらに、
濡れた頭皮は“風邪(ふうじゃ)や寒邪”の入り口になる。
◎守るべき4つ
天気のよい昼間
暖かい部屋で
とにかく早く乾かす
乾かした後も帽子などで保温
夜のシャンプー習慣はいったん忘れていい。
回復期の体は、
「守りながら整える」ほうがずっと健やか。
🌾まとめ:弱っている時こそ“朝の粥”が身体を作る
粥は、胃腸を整えながら体を立て直す、
最古にして最強の養生食。
体調に合わせて3つのステップを使い分ければ、
ゆっくり、確実に体は回復していく。
“今日の一杯が、明日のあなたを支える。”




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