春は肝臓が疲れやすい?ストレスと肝の関係
- Emi | Kenshiro Shiba Labo

- 2025年3月20日
- 読了時間: 5分
更新日:3月9日
春に始めたい「肝臓ケア」
——犬の薬膳から学んだ、体を守る知恵
思えば、うちの犬の老化が一気に進んだときのこと。
「ヤバい……これは老衰一歩手前では?」
と、飼い主が青ざめた瞬間がありました。
そこで手探りで始めたのが、犬の薬膳。
そして最初に取り組んだのが
「肝臓のケア」でした。
犬の体も、人の体も、
実は基本的な仕組みはよく似ています。
ところで先日、
うちの旦那さんがこう言いました。
「なんか、まぶたがピクピクするんやけど……」
確かに、片方のまぶたが小さく震えています。
原因は、だいたい見当がついていました。
「それ、(義父の名前)ストレスじゃない?」
先日、義父が関係するちょっとしたトラブルがあり、
その後からピクピクし始めたのです。
体は、本当に正直です。
春。
そしてストレス。
この組み合わせ、
実は体にとってはあまり良くありません。
中医学では、
春は「肝」がもっとも影響を受けやすい季節。
そして肝は、
ストレスや怒りの感情と深く関係する臓器とされています。
つまり
春 × ストレス
これは、肝臓にとって
なかなか厄介な組み合わせなのです。

肝臓は、体の中の「働き者」
知っているようで、実はよく知られていない臓器。
それが肝臓です。
肝臓は、人の体の中でもっとも働き者の臓器のひとつ。
例えば——
1分間に約1.5リットルもの血液が出入りする
全身の血液量や濃度を調整する「ダム」のような役割
体に入った栄養を、使いやすい形に作り変える「化学工場」
さらに、肝臓は驚くほど再生能力が高い臓器でもあります。
健康であれば、たとえ一部が傷ついても、時間をかけて回復していく力を持っています。
その構造も興味深いものです。
肝臓は、2500億〜3000億個の肝細胞が集まってできています。
まるで、ブドウの粒が集まって一房を作るようなイメージです。
その一つひとつの細胞が、体のために黙々と働いています。
「沈黙の臓器」と呼ばれる理由
肝臓は、よく
「沈黙の臓器」
と呼ばれます。
少しくらい無理をしても、
文句を言うこともなく、黙って働き続ける。
だからこそ、
不調に気づいたときには
すでに負担が積み重なっていることもあります。
人の体の中で、
いちばん我慢強い臓器。
それが、肝臓なのかもしれません。
肝臓が弱ると、例えば次のような症状が現れることがあります。
右脇腹の張りや痛み
体のだるさ
食欲不振
黄疸(皮膚や目が黄色くなる)
腹水の貯留
体は、ちゃんとサインを出しています。
ただし、多くの場合はもっと小さなサインから始まります。
疲れやすい
肌の調子が悪い
眠りが浅い
そんな日常の違和感も、実は肝臓からのSOSかもしれません。
中医学では「胃腸」が肝臓を守る
肝臓と聞くと、多くの人が
お酒
脂っこい食事
を思い浮かべるかもしれません。
もちろんそれも関係します。
しかし中医学では、
肝臓を守る一番の方法は「胃腸を整えること」と考えます。
一見すると、肝臓と胃腸は別の臓器。
ですが、体の中では密接につながっています。
胃腸の働きが弱ると、体内に「湿熱」と呼ばれる余分なものが生まれ、
それが気血の流れを滞らせてしまう。
すると、肝臓の働きにも影響が出てくるのです。
川の水も、流れなければ澱みます。
体も同じ。
巡りが滞れば、少しずつ体に負担が積み重なっていきます。
肝臓を助ける食材
肝臓が弱っているとき、体は修復のために多くの栄養を必要とします。
特に大切なのは
ビタミン、ミネラル、そして良質なタンパク質。
例えば次のような食材があります。
胃腸を整える食材
大根
カブ
レンコン
これらは消化を助け、体の巡りを整える働きがあります。
肝臓を助けるタンパク質
卵
鶏肉
豚肉
これらには、肝臓の働きをサポートする
メチオニンやコリンといった成分が含まれています。
免疫力を高める食材
椎茸などのきのこ類
貝類
太刀魚
体の回復力を支える食材です。
また、ぶどうなどの果物には
血を補い、体に潤いを与える働きもあります。
春は「肝臓を養う季節」
昔から
「春は肝を養う」
と言われてきました。
冬のあいだに体に溜まったものを排出し、
新しい巡りを作る季節だからです。
春には
ふきのとう
菜の花
たけのこ
といった山菜が出回ります。
これらの食材に含まれるほろ苦さは、
体の巡りを整え、肝臓の働きを助けるとされています。
また、酸味も肝臓と相性が良い味です。
梅干しや酢の物、レモンなども
春の養生にはぴったりです。
肝臓と「夜の時間」
中医学では、
23時から3時は肝臓の時間とされています。
この時間帯にしっかり眠ることで、
肝臓は血液を浄化し、体を回復させると考えられています。
だからこそ、
夜更かし
不規則な生活
過度な飲酒
は、肝臓にとって大きな負担になります。
小さな習慣が、肝臓を守る
日常生活の中でできる肝臓ケアは、
決して難しいものではありません。
例えば
寝る前のスマホを控える
ストレスをため込みすぎない
旬の食材を取り入れる
そんな小さな習慣の積み重ねが、
体を静かに支えてくれます。
肝臓は、静かに働き続けている
肝臓は、
自分から大きな声で不調を訴えることはありません。
けれど、体はいつも小さなサインを出しています。
食欲がない
疲れやすい
眠りが浅い
そんなときは、少し立ち止まってみてください。
肝臓は
今日の食事
今日の休息
今日の感情
そのすべてに支えられています。
だからこそ、
自分を少しだけ労わること。
それは、
未来の健康への、静かな投資なのです。



