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春を迎えるための、冬の過ごし方──冬の土用と冷えをめぐる中医学の養生

  • 執筆者の写真: Emi  | Kenshirou Siba Labo
    Emi | Kenshirou Siba Labo
  • 2025年1月31日
  • 読了時間: 5分

更新日:2月7日




一年のうちで、

いちばん「暦」を思い出す季節が、静かにやってきた。

春を待ちながら、体を休ませるための時間だ。





冬の土用と冷え対策




個人的に、一年で一番“暦”を意識する季節がやってきました。

それは、「伊予路に春を呼ぶ祭り」として有名な、お椿さんがあるから。


九州などからたくさんの出店がやってきて、

ただ歩くだけでも楽しいお祭りで、毎年出かけます。


でも、このお椿さん。

開催時期は、いつも少し不確定。


それは、「立春前後」という、

二十四節気に沿った日取りだから。


年によって、日がずれる。

二日だったり、二十日過ぎだったり。


「あぁ、今年のお椿さんは2月23日からかぁ。

それまで、まだまだ寒いんだなぁ」


だから私は、毎年ここで暦を思い出す。


お椿さん=立春を過ぎれば、

本当に少しずつ、暖かくなっていきます。


でも、そこに辿り着くまでは、

本当に寒い。


それは、小寒・大寒という一年で一番寒い時期に、

冬の土用が立ちはだかっているからにほかなりません。


お椿さんを楽しむためにも、

まずは冬の寒さを、ちゃんと乗り切っておかねばならない。


というのも、

寒いだけなら、まだいい。


寒さは——

「気」を削る。


じわじわ削る。

財布じゃなくて、体のほうを。


だから冬の土用は、

「頑張る季節」じゃなくて、

守る季節なのです。



冬の土用に行う薬草湯と中医学の冷え対策をイメージした扉絵。雪景色の中、みかんの皮や生姜、松葉、びわの葉、桃の葉を使った自然素材の養生風呂を描いている。
寒さは、音もなく体の奥へ入り込む。だから冬は、戦わず、温める。

寒いと、体は正直になる



冷えは万病の元」とは、よく言ったものです。


中医学では、「気」は生命エネルギー。

寒さは、その気を静かに、でも確実に消耗させます。


でも、それだけじゃない。


気が目減りすると、

体のあちこちで“困ったこと”が起こり始める。


ここで毎年おなじみ、

宴会終盤に流れる

「日本全国酒飲み音頭」風に解説します。


歌える人は、心の中でどうぞ。


一番に気があるから、ポカポカ暖かい

ポカポカ ポカポカ 体あったかいぞ


二番目に気があるから、風邪ひかないぞ

免疫力が高くて、ウイルスからも守られるぞ


三番目に気があるから、背も伸びるぞ

体のどこもかしこも、ちゃんと育つ


四番目に気があるから、垂れ下がらないぞ

臓器や筋肉は、重力に逆らっているんだぞ


でも——

気がないと、脱肛、胃下垂、顔が垂れるぞ。


やばい、やばい、やばい。

気は、大事だぞ。


寒くて体が冷えるだけで、

気は消耗する。


その結果、

顔の筋肉が垂れたり、

いろいろ「漏れやすく」なったりする。


特に、胃腸が弱い体質の人は要注意。

冷えやすく、体調を崩しやすい。


つまり、

気が不足すると——


  • 免疫力が下がる

  • 風邪やインフルエンザにかかりやすくなる

  • 体の機能全体が落ちていく



冬にインフルエンザが流行るのも、

納得です。


このヤバさ、

伝わりましたか?





冷えは、放置しない。それだけでいい



ひとことで「冷え」と言っても、

いろんなタイプがあります。


  • 全身が冷える人

  • 手足が冷える人

  • 内臓が冷える人



ちなみに私は、

どちらかというと内臓が冷えるタイプ。


でも、すべてに共通して言えることは、ひとつ。


冷えていると思ったら、放置しない。


単純だけど、それにつきます。





まずは“三首”を温める



足湯やカイロで、


  • 手首

  • 足首



この三首を温める、

もしくは冷やさない。


特におすすめなのは、

電気ではなく、自然素材のカイロ。


小豆、塩、糠などが入ったものは、

じんわりした蒸気が心地よく、体にやさしい。


市販の小豆カイロもあります。





湯船は、立派な養生



「薬草湯」と聞くと、

何か特別なものを想像しがちですが——


必要ありません。


どれも、

身近な食材=漢方の生薬です。


少量からでOK。

特に生姜は、入れすぎるとピリピリするので注意。


本当は、

クチナシ、紅花、よもぎ、ドクダミなどもありますが、

風呂釜への色移りが心配なので、今回は省略。


初めての人には、

みかんの皮湯や生姜湯がおすすめです。





🌿 薬草湯メモ(体を温める)




🍊 みかんの皮湯



気の巡り・胃腸ケア


  • 作り方:皮を洗って陰干しし、湯に入れる

  • 効果:気の巡りを整え、ストレスで弱りやすい胃腸をサポート




🌲 松葉風呂



血行促進・コリ対策


  • 作り方:洗った松葉を数本入浴

  • 効果:冷え・関節のこわばりに




🔥 生姜湯



芯から温める


  • 作り方:スライスして天日干しした生姜を使用

  • 効果:冷え、肩こり、腰痛に




🍃 びわの葉湯



肌トラブル・乾燥対策


  • 作り方:産毛を取って刻む

  • 効果:抗菌、血行促進




🌸 桃の葉湯



解毒・肌荒れケア


  • 作り方:洗って湯に入れる

  • 効果:ニキビ、肌荒れ(夏向きだが室内乾燥にも)






気を、ちゃんとチャージする



気が不足すると、

体だけでなく、心にも影響します。


疲れやすい。

気分が沈む。

やる気が出ない。


だから冬は、

補気(ほき)が大切。





🥢 補気メモ(体質別)




🔥 全身が冷える人



  • くるみ

  • えび

  • ニラ

  • 羊肉

  • 黒ごま




🌬 花粉症・鼻炎がある人(肺が冷えやすい)



  • 長ネギ

  • 黒砂糖

  • 紫蘇

  • 生姜




🥶 胃が冷える人



  • シナモン紅茶

  • 生姜



基本は、

栗・黒豆・餅米・さつまいも。


要するに、

おせちに入っていそうなもの。


そこに、

大根・カブ・キャベツなどの

“食べる胃薬”を添えれば、かなり万全。





🍵 補気レシピ




さつまいものホットドリンク



胃腸を温め、疲れをほどく


(※作り方そのまま)



枸杞と昆布のお酢



巡りとデトックス



しょうがミルクティー



内臓の冷えに



黒豆とさつまいものスープ



滋養たっぷり、疲れやすい人に



柚子と昆布の酢ドリンク



血行促進・疲労回復





春は、冬の過ごし方で決まる



春までもう少し。


冬にきちんと養生して、

気を補い、冷えを防げば——


春の体調不良や、

花粉症のつらさも、ぐっと軽くなります。


まずは、

みかんの皮湯か、生姜湯から。


春は、ちゃんと来ます。

そのとき、体もきっと応えてくれるはず。




春は、

こうして体の奥から、ゆっくり迎えにいけばいい。


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