子どもは未完成だからこそ強い|中医学の小児科という視点
- Emi | Kenshiro Shiba Labo

- 6月30日
- 読了時間: 3分
小学生のころ、
「小児内科か普通の内科、私はどっちに行けばいいのかな?」
と悩んだことがありました。
その時は、なんとなく普通の内科を受診したけれど、
明確な年齢基準ってないような気がします。
「あなたは小児科に行ってください」
なんてことも、言われなかった。
でも——
中医学には、その基準があります。
今回は、中医学と子どもの診察の話です。
小児科は、古代からあったのか?
そもそも、小児科ってなんだろう?
中医学の小児科は、
古くから独立した分野として扱われてきました。
子どもの体は、大人とは違う。
未完成で、
だからこそ繊細で、
だからこそ特別に診る必要がある——
そう考えられていたのです。
やがて宮廷には、
小児専門の医官が置かれるようになります。
荒い息をする幼い王子。
脈をとる医官。
祈るように見守る皇后。
よくある宮廷ドラマのワンシーン。
皇帝の子どもの命は、
家族だけでなく、
国の未来そのものでした。
だからこそ、
「子どもは大人の縮小版ではない」
という視点が育っていったのです。

宮廷の子どもたちは、強かったのか?
実際、宮廷で育つ子どもたちは、
決して強いとは言えなかったといいます。
閉鎖された環境で育つため、
外界の細菌やウイルスに触れる機会が少なかった。
あっけなく亡くなっていく小さな命たち。
国の威信をかけて、守らねばならなかった。
現代でも、
過度な除菌が子どもを弱くするのではないか、という議論があります。
きれいすぎるものは、
逆に弱くなる。
いつの時代でも、同じなのかもしれません。
子どもの体は「未完成」
小児科の大前提は、
「子どもは大人のミニチュアじゃない」
という考え方です。
なるほどな、と思う。
子どもの体は、
いろいろな臓器が組み立て途中。
未完成な体の特徴
肺のバリア機能は弱い
胃腸の処理能力は低い
少し食べ過ぎるだけで処理オーバー
体は常に全力疾走状態
例えば、赤ちゃんの咳がなかなか治らない場合、
原因は消化不良ということもある。
だから、
すぐ高熱を出したり、
癇癪を起こしたり、
オーバーヒートしがち。
でも——
生命力に溢れているから、
回復力も再生スピードも超高速回転。
こんな子どもの体は、
確かに大人とはまったく違います。
では、どう見る?どう育てる?
冒頭の疑問。
「小児内科か普通の内科、私はどっちに行けばいいのかな?」
中医学的に言うならば、
臓器の生成が未完成なうちは、大人とは根本的に違う。
だから“小児科”として診る。
ということになります。
では、どう向き合う?
子どもの体には、いくつかの前提があります。
肺はまだ未熟
胃腸も未完成
熱をためやすく、オーバーヒートしやすい
けれど、回復は速い
だからこそ——
冷たい風から守る
無理に食べさせない
発熱時は、水分をすぐ補う
基本は、この三つ。
未完成という可能性
宮廷で泣き叫ぶ皇后も、
現代で高熱に慌てる母親も、
きっと同じ気持ちです。
小さな体は、
未完成で、
未熟で、
でも、驚くほどの再生力を秘めている。
中医学の小児科は、
未完成という可能性を、未来として診る医学。
そう考えると、
「小児科」という言葉の重みが、少し変わって見えてきます。


