top of page

🐕【ケンシロウ日誌 Vol.14】空気をよむ日、よまない日

  • 執筆者の写真: Emi  | Kenshirou Siba Labo
    Emi | Kenshirou Siba Labo
  • 4 日前
  • 読了時間: 4分

更新日:2 日前




そっと空気をよんで、寄り添ってくれる日がある。

でも、あえて、空気をよまない日を作っている気もする。





「けんくん、寒いわ。早く帰ろうよ。」

声をかけても、まるっと無視。

そんな日に限って、遠くまで散歩に出かける。


うん、知ってるよ?

多分、ママが言っていること、わかってるよね?


「でも、行く。だって、オレは寒くないし!」

…とでも思っているんだろうなぁ。


飼い主の言動に注意して、いろいろ察するのは、犬だけじゃないのです。

11年も経てば、お互いさまって感じで、

阿吽の呼吸も生まれてくるってもんです。







うちの近所にアパートがあるせいか、

よく小さい子たちと遭遇する。

その遭遇パターンはいくつかある。


お散歩途中で、遊んでいる子供達を見つけた時。

たくさん集まっていたら、ケンシロウはそっと進路変更をする。

私も暗黙の了解で、

「はいはい」と付き従う。


子供たちが朝の集団登校をしている時。

ずらっと一列で歩くその姿を横目に、サクサク通り過ぎる。

少し緊張気味だけど。


1、2人でいる子供たちに会った時。

どんな状況下でも、

「オレの行手を邪魔するな!」とばかりに突き進む


もしくは、

「あそぶか?」と飛びついてみるか、脅す

この場合、私が「ごめんね!」と謝るのがセット。






柴犬ケンシロウが散歩の帰りに静かに座り、子供たちに囲まれながらも落ち着いて空気をよんでいる様子を描いたイラスト
子供たちに囲まれる。空気をよむ犬の、静かな時間。

そして、問題なのが、散歩終わりの玄関先で遭遇した場合。


散歩を終えると、玄関前でケンシロウの足を拭き、散歩紐を外す。

私が外階段に座ると、膝の上にどかっと乗っかってくる。


車が通る。

風の音。

自転車、人の行き交い。


いろいろ見て、耳を傾けている。

11年間毎日続く、ケンシロウのお気に入りの時間だ。


吠えもせず、暴れもせず、

自分が満足するまで、膝の上で置物のようになって座っている。


この至福の時間に、時々遭遇するのが帰宅途中の小学生たち。

2、3人の時もあれば、5、6人まとまっている時もある。


この5、6人の時が問題なのだ。

なにしろ、朝の時とは違って、帰宅途中の子供たちは自由すぎる。


道の向こう側を歩いていても、

子供たちはケンシロウを見つけると、必ず目の前にやってくる。


2人くらいの時は、そのままちらっと見て、通り過ぎる場合が多い。

捨て台詞は、

「かわいい…」


でも、5、6人いるときは違う。

子供たちも「みんないれば怖くない」とばかりに、

強気で、ぴたっと立ち止まる。


ケンシロウを囲んで、喋り出す子供達。


「こんにちは」

「ワンちゃん、触ってもいいですか?」

「ぼくもイヌ好き。この前ね・・・」

「ワンちゃんのお名前は?」


ケンシロウとは、30センチも離れていない。


この時、ケンシロウはひたすら

——無の極地。

悟り切った仏みたいになって、

子供達に静かに囲まれている。







そんなある日。

いつものように、子供たちに囲まれていると、


「ワンちゃん、アゴがたるんでいるぅ。」

かわいい女の子が、無邪気に言う。


『ア、アゴ、たるんでる……?』


飼い主として、

内心とてもショックだった。


「うん。タルタルじゃ。」

すぐに、別の子から追撃をくらう。


なんとも言えない。

返す言葉が思い浮かばん。

当の本人は、あいも変わらず無風状態。


でも、なんか辛い😿


無難に、

「そう?」

と、大人の余裕で聞き流す。







話の流れを変えようと、

そっと、ケンシロウを膝から下ろしてみた。


そして、

「もうお家入る?」

と聞くと、すすっと扉の方に歩いて行く。


仏様みたいになっていたけど、限界だったのか?

空気を読んだのか?


突如、通じ合った飼い主と愛犬。


ふふっと、笑顔で、

「ありがとう。みんなまたね」

と、子供達とバイバイする。




家に入ったケンシロウを見ると、

確かに、“あごがたるんでいる”ように見えなくも、ない。


一体いつから、うちの犬のアゴはたるんでいたのか?

昔から?

最近?



子供の無邪気な観察力に、衝撃を受けたあの日。

私も、ケンシロウも、同じことを考えていた。


「もうお家入ろう」


——愛犬と、確かに通じ合った日でもありました。




こうして今日も、

ケンシロウは「よむ日」と「よまない日」を

自分で選んで生きている。




🐾 今日のケンシロウの一日



朝:ママが寒いって騒いでる。関係ないね。オレは行く!

昼:至福の時間のはずが、おやつを数えて待つ時間になる

夕:……もうお家入ろう。(同意)





コメント


bottom of page