心と体の交通渋滞

10 分前
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ある日、職場の同僚が仕事に来なくなった。
あとになって、心の不調を抱えているらしいと聞いた。
別の人からも、身近な人が心の不調を抱えているという話を聞く。
遠くの誰かの病気だと思っていたものが、急に近くなった。
けれど、私はよくわかっていない。
憂鬱な気分と、うつ病はどう違うのだろう。
嫌なことがあって、気分が沈む。
そんな日は誰にでもある。
一方、うつ病では、落ち込んだ気分や楽しめない状態が続き、眠れない、食べられない、疲れやすいといった変化が現れることもある。
暮らしに支障が出ていても、外からはわからない場合がある。
だから、誰かの様子を見て病名を決めることも、自分の不調を「ただの気分」と片づけることも、簡単にはできない。

薬膳の勉強では、中医学の「気の巡り」という考え方に出会う。
気持ちが重い日には、体まで動きにくい。
心と体の中で、交通渋滞が起きているように感じることがある。
これは、うつ病の原因を説明する言葉ではない。
今の自分の調子を、もう少し丁寧に見るための言葉だと思う。
疲れているのか。
眠れているのか。
食事はおいしいか。
香りのよいお茶を淹れる余裕がある日なら、その時間を楽しむ。
それも難しい日には、何かを頑張って解消しようとせず、休む。
不調が続いたり、いつもの暮らしが難しくなったりしたら、医療機関や相談窓口を頼っていい。
心のことを考えていたら、体のことも見えてきた。
体のことを見ていたら、
ひとりで抱えなくていいことにも気づいた。



