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暴れるコーヒーサイフォンと暮らす──初期モデルと判明した古道具のメンテナンス記録

  • 執筆者の写真: Emi  | Kenshirou Siba Labo
    Emi | Kenshirou Siba Labo
  • 2024年12月19日
  • 読了時間: 4分

更新日:2025年11月22日



コーヒーサイフォンの音が気になる今日この頃です。


これって、普通なんだろうか?

うちのコーヒーサイフォンは、「バチっ」だとか「ガボボ」だとか、音を出す。


いつも「ぽこぽこ」かわいい音だけ出せばいいのに、結構な頻度で派手な音を出す。


そのたびに私は「割れるんじゃないか」と、ヒヤッとする。

というのも、このコーヒーサイフォン、とても古いものなのだ。





なぜうちのサイフォンは「暴れた音」を出すのか?




うちのサイフォンが20年間眠っていた理由






そう、もう20年はうちにあると思う。


もとは私の洋菓子の先生の持ち物で、先生が東京に戻る時に譲ってくださった。最初はうちの父が使っていたが、そのうち電気コーヒーメーカーに変わった。便利なものには勝てないらしい。


全く使っていないので、結婚を機に私がもらったのだが、実は私も使ってなかった。

いつでも使えるような場所においていたけど、出番はなし。


アルコールで火を灯してコーヒーを淹れるというのは、なかなか素人には敷居が高い。喫茶店で飲むような、プロの手法なのだ。


「コーヒーを淹れる作法がわからぬ」など、茶道か?!みたいな言い訳で、遠ざかっていた。

そのうち、遠ざかる理由がもう一つできた。大量のインスタントコーヒーだ。





インスタント生活と、本格コーヒーへの葛藤



毎年、実家が頂き物のインスタントコーヒーを大量にわけてくれる。結果、私はインスタントのコーヒー三昧。


インスタントコーヒーは嫌いじゃない。


ティラミスを作る時とか、役に立ってくれるし、最近のものは簡単で美味しい。

でもね、限界がきた。


「美味しい本格的なコーヒーが飲みたいんじゃ!」

(大事な主張なので、方言でお届けしております)


しかし、私にはインスタントコーヒーを消費させるノルマがある。

このジレンマたるや…本当に辛かった。





古いサイフォンのパッキン交換は“恐怖の儀式”




それからはもう、せっせと飲んだ。


そして、めでたくコーヒーサイフォンが日の目を見る時がきたのであった。でも、いざ使おうとすると、かなりゴムのパッキンが劣化している。


硬くなったパッキンのせいで、上部のロートと下のフラスコがくっついて、なかなか外れない!無理やり引き剥がしてガラスが破れるのも怖いので、パッキンを取り替えることにした。


……ゴムが硬化した硬さをなめてました。



ひーっと、思わずか細い声が漏れ出る。



「あんた、本当は石か金属やろ?」と、言ってやりたい。

それくらい、到底元がゴムとは思えない硬い塊をカッターで削っていく。


恐る恐る、そーっと、そーっと。

しゅり、しゅりと。


手も削れそう。

いや、私の神経はいっしょに削れてた。

とにかく、この作業の恐ろしさときたら!!もう二度とゴメンである。



教訓:ゴムが硬化する前に、すみやかにパッキンは定期的な交換を!



アンティークのコーヒーサイフォンと湯気の立つ一杯を描いた絵本タッチの水彩イラスト
古いサイフォンが今日も小さく息づく―


1925年創業メーカーの初期モデルだったという衝撃



まぁ、そんなこんなで、部品を取り換えるために、私は初めてこのサイフォンについて調べた。


1925年創業の日本で初めてコーヒーサイフォンを作った会社のものだったらしい。

メーカー名は下側のフラスコに書いてあった。


オンラインストアを見ると、取り替え用のゴムパッキンはある。でも、ロートもフラスコもうちのと形が違うのだ。


「旧型はこちら」というページを見つけたが、その旧型ですらない。小さな部品とはいえ、うちのサイフォンに使えるのか不安に思って、写真付きでメーカーに問い合わせをした。



すると新事実がわかった。

なんと!この会社の初期モデルだったのだ。

確かに、今のものとはずいぶん形もちがう。


対応も早く丁寧で、私が送った写真をもとに、うちのサイフォンの状態も確認してくれた。

問題なし。このまま現役で使える、とのこと。


やる気を出した私は、メーカーのHPや動画で使い方やメンテナンスも調べた。付け焼き刃的な知識でも、それはそれ。毎日飲む淹れたてのコーヒーに満足している。





古道具と暮らすということ──音にびびりながら淹れる日々



もしかしたら、100年前のコーヒーサイフォン?


でもやっぱり、この「バチっ」だとか「ガボボボ」という音はいただけない。


「おう!なめた真似すると、いつでも割れてやるぜ!」とばかりに、サイフォンが暴れているみたいで、ヒヤッとする。イメージは、野球のバットを持って、窓ガラスを割ろうとする中学生である。


「画像を拝見した限り、状態も良いようですので大切にお使いいただければ幸いです」

という、メーカーさんからの丁寧なメッセージが頭をよぎる。


創業1925年のメーカーの初期モデルとすると、もしかしたら100年くらい前のものかもしれない。こんな音をさせている私は、果たして大事に扱えていると言えるのか?


そして、今日も私はサイフォンにちょっぴり気を使いながらコーヒーを淹れる。


――あなたの家のコーヒーサイフォンは暴れていませんか?




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