時を超える一杯:レトロサイフォンが奏でるコーヒー
- Emi
- 2024年12月19日
- 読了時間: 4分
更新日:2月19日
コーヒーサイフォンの音が気になる!
うちのコーヒーサイフォンは、「バチっ」だとか「ガボボ」だとか音を出す。
「ぽこぽこ」というかわいい音もさせるけど、ときどき派手な音も出す。
そのたびに私は、割れるんじゃないかと、ヒヤッとする。
というのも、このコーヒーサイフォン、とても古いものなのだ。
20年もののコーヒーサイフォンの歴史
うちにこのコーヒーサイフォンが来て、もう20年にはなるのではないだろうか。
もとは私の洋菓子の先生の持ち物で、先生が東京に戻る時に譲ってくださった。最初はうちの父が使っていたが、そのうち電気コーヒーメーカーに変わった。便利なものには勝てないらしい。全く使っていないので、結婚を機に私がもらったのだが、実は私も使ってなかった。
いつでも使えるような場所においていたけど、出番はなし。
アルコールで火を灯してコーヒーを淹れるというのは、なかなか素人には敷居が高い。
喫茶店で飲むような、プロの手法なのだ。
「コーヒーを淹れる作法がわからぬ」など、茶道か?!みたいな言い訳で、遠ざかっていた。
そのうち、遠ざかる理由がもう一つできた。大量のインスタントコーヒーだ。
美味しいコーヒーを求めて!インスタントからサイフォンへ
毎年、実家が頂き物のインスタントコーヒーを大量にくれるのだ。
結果、私はインスタントのコーヒー三昧。インスタントコーヒーは嫌いじゃない。
ティラミスを作る時とか、役に立ってくれるし、最近のものは簡単で美味しい。でもね、限界がきた。
「美味しい本格的なコーヒーが飲みたい!」
でも私にはインスタントコーヒーを消費させるノルマがある。このジレンマたるや…本当に辛かった。
古いコーヒーサイフォンのメンテナンス方法とは?
それからはもう、せっせと飲んだ。
そして、めでたくコーヒーサイフォンが日の目を見る時がきたのであった。
しかし、いざ使おうとすると、かなりゴムのパッキンが劣化していた。
硬くなったパッキンのせいで、上部のロートと下のフラスコがくっついてなかなか取れない。
無理やり引き剥がしてガラスが破れるのも怖いので、パッキンを取り替えることにした。
恐る恐るカッターで削って、ゴムパッキンを取り外す作業の恐ろしさときたら!!もう二度とゴメンである。
こんなにもゴムが硬化する前に次からはもっと早めに取り替えよう、と心に誓った。
日本初のコーヒーサイフォンメーカーと出会う
部品を取り換えるために、私は初めてこのサイフォンについて知ることになった。
メーカー名は下側のフラスコに書いてある。
インターネットでメーカーのオンラインストアを見ると、取り替え用のゴムパッキンはある。でも、ロートもフラスコも形が違うのだ。
「旧型はこちら」という案内で見ても、その旧型ですらない。うちのサイフォンに使えるのかと不安に思って、写真付きでメーカーに問い合わせをした。
すると新事実がわかった。
なんと、うちのコーヒーサイフォンは、1925年創業の日本で初めてコーヒーサイフォンを作った、というメーカーの初期モデルだったのだ。
対応も早く丁寧で、私が送った写真でうちのサイフォンの状態も確認してくれた。
やる気を出した私は、メーカーのHPや動画で、サイフォンでどうコーヒーを入れるのか使い方やメンテナンスも調べた。付け焼き刃的な知識でも、それはそれ。毎日飲む淹れたてのコーヒーに満足している。
コーヒーサイフォンで淹れる毎日が生む喜び
でも、この「バチっ」だとか「ガボボボ」という音はいただけない。
「画像を拝見した限り、状態も良いようですので大切にお使いいただければ幸いです」
という、メーカーさんからの丁寧なメッセージが頭をよぎるのだ。
こんな音をさせている私は、果たして大事に扱えているのだろうか。
そして、私は今日もちょっぴりヒヤヒヤしながらも、心の中で呟く。
「ありがとう、大切にするから、これからも一緒に美味しい一杯を作ろうね」と。
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