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【ケンシロウ日誌 Vol.10】ケンシロウ、静かなる煽り屋

執筆者の写真: Emi  | Kenshiro Shiba Labo
Emi | Kenshiro Shiba Labo
1月9日
読了時間: 3分

更新日:3月18日


── 犬には吠えずに威圧する技がある。



“煽り運転の事故”、よくニュースで見かけますよね?

でも、ニュースにはならないけれど、

もっと身近で、もっと静かに、確実に起きている“煽り運転”があるんです。



ケンシロウの昼の散歩コースは、家を出て左に曲がるか、それとも右か。

まずは大きな分岐点を決めるところから始まる。


そこから派生するコースは全5種類。

どこを歩くかは、その日のケンシロウの気分次第。


ただ、今までは9割の確率で左へ曲がっていた。



柴犬ケンシロウが昼の散歩道を悠然と歩き、背後の犬小屋にいる別の柴犬の視線を受けながら、赤い水玉バンダナを揺らして通り過ぎていく絵本風イラスト。
吠えない。立ち止まらない。ただ、毎日、そこを通る。



ある日のこと。

たまたまレア確率で右へ進んだケンシロウ。

そこで、とあるお家の玄関に柴犬を発見。



水色のトタン屋根で囲われた簡易ハウス。

中には大きなピンクの洗面器。


寒くないように毛布が敷き詰められていて、手作り感満載。

そこに、ポスンと入っている柴犬が1匹。

多分、若いオス。



“……これは、また犬版アウトレイジか?”


と身構えたけれど、お互いじっと見つめ合うだけで平和そのもの。


「初めましてのワンちゃんだねぇ。」

なんてケンシロウに話しつつ、私はそのまま呑気に通り過ぎた。





その平和的な出会いから一夜明けた翌日。

ケンシロウは散歩ルートを変えた。


今までと真逆で、9割の確率で右へ。

そして、例の柴犬くんの家の前を通る。



立ち止まりはしない。

ただ、ほんのわずかに歩幅をゆるめ、

“俺は自由だぞ”と言わんばかりに颯爽と通り過ぎる。



吠えもせず、ただじっとケンシロウを見つめる柴犬くん。


熱い視線を背中に浴びながらも、ケンシロウは、真っ直ぐ悠然と歩いていく。

そして、少しハラハラしながら後ろをついていく飼い主。



これ、ほぼ毎日なんですよ?

繋がれている相手に、「俺、散歩してます」と毎日見せつける。



小学生が、削った消しゴムのカスを

前の席の子にコソッと投げる、あのイラズラのような感じ。


地味で、鬱陶しくて、でも妙に効くやつ。



なぜ、そう思うのか。

……ケンシロウは前科持ちなんです。





以前も、秋田犬相手にやっていました。



行きも帰りも、わざわざ通る。


相手が不在なら、最寄りの電信柱に「ケンシロウ参上」とマーキング。

雨の日も風の日も、コツコツと積み上げたのは善行ではなく“プチイライラ”。



そして、散歩中にかち合えば、必ず仁王立ちで睨まれるようになり、

——そして、噛まれた。



柴犬VS秋田犬。

この体格差は圧倒的。


流石に“ケンシロウ殺されるんじゃ?!” と本気でゾッとした。


でもね、煽り続けたケンシロウも悪い。

あれは自業自得。





その時とまったく同じような“煽り方”をしています。



これ、柴犬の習性?

うちのケンシロウだけ?

平和主義で吠えもしないのに、煽ることは忘れない。




煽り運転に事故はつきもの。



……この静かな煽り戦争、

 どんなドラマが巻き起こるのか、ちょっと怖い。






🐕ケンシロウの今日の一日


朝:自由を背中で語る俺、今日も右へ


昼:「歩いているけど?なにか?」と、減速通過


夕:羨望の眼差しが心地よい。今日もミッション完了





🌟 次回予告|Vol.11「階段を制する者、家を制す」


階段を降りるスピード、家で一番速いのは——犬。

抱っこ時代から段差を研究し、ついに“制覇”したケンシロウ。


今日もダダダッと駆け降りる足音が響く。

それは元気の証であり、家を支配する者の音。



次回、ケンシロウの“段差テク”が明らかに。


あそびと文化のレシピ
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